名前占い、どう思いますか?
先日たまたま、ある姓名判断の本を手に取ったのですが、けっこうキツいというか、不安をあおるような内容が書かれていて、「うーん……」と思いました。
いわゆる画数で性格や人生を占うものでしたが、「○画を持つ人は不遇な人生を歩む、病気や事故にあう」というような書き方が多く、実際にTVや新聞で報道された事件の、犯人や被害者の名前の例をあげていました。
読むとちょっと怖くなったのですが……でもね……。
姓名判断にもいろんな流派があり、画数の計算方法も違います。Aという流派では大吉とされるのに、Bでは不吉とされる、というパターンもあるのです。
それに、同じ名前・画数の人をすべて調べて統計をとったわけでもないはず。なのに○画の名前を持つとみんな不幸に……みたいな書き方をされると、ただ不安だけが増してしまうのでは?
風水や家相でもそんな話が
これって、何かに似ている……あ、風水や家相に関することも、よくこんなパターンが……。
鬼門に玄関があると不幸に、とか。
西に水場があると貧乏に、とか。
そう聞いて、何となくモヤモヤ、ザワザワした気持ちになってしまうこと、ないですか?
「鬼門玄関の家、すべてに調査をかけたのですか?!不幸になったと答えた人、何人いたんですかっ!」って、聞きたくなりませんか。
私は、風水や家相は占いではなく、古くから伝わる生活の知恵だと思っています。ですから、ことさらに人の不安をあおるような表現がある時は、真に受けないようにしています。生活の知恵は、あくまでアドバイスとして受け止めればいい、と。
ですので、先ほどの姓名判断についても、あまり気にしすぎないのが賢い、と思っています。
名前について悩むときにおすすめの本
名付けといえば、もう一つ、最近読んだ本があります。こちらはとても面白いと思ったのでご紹介させてください。それは、「子供の名前が危ない」という本です。
こちらは、牧野恭仁雄さんという、命名研究家の方の本です。(姓名判断占術家ではありません)
書籍「子供の名前が危ない」レビュー
こちらは、いわゆる「キラキラネーム」とか「DQNネーム」と言われる「読めない名前」についての考察の本です。(著者は「珍奇ネーム」と呼んでおられますが)
名付ける親のほうは、「個性的なインパクトのある名前を」と思うのかもしれません。しかし突飛な名前、読めない名前は不便であるばかりでなく、後々子供本人にとって就職などで不利になることもある……そうした実情についても、多くの具体例をあげて書かれています。
しかし、この本の最も興味深いところは、こうした「珍奇ネーム」が増えてきた要因についてでした。
名づけは時代を反映している、つまり名付けの傾向には、その時代の人々の深層心理が影響している、というのです。
名付けに社会の欠乏感が表れる?
よく、人気の名前ランキングというのがありますよね。これを分析してみると、面白い傾向が見て取れるそうです。
戦時中、戦況が悪化した頃には「勝」「勇」「武」など、そして戦後の食糧難の時代には「実」「豊」、バブルの頃には「愛」のつく名前がランキング上位に入っているといいます。
平成に入ると男の子は「大」、女の子は「優」の字が流行、そして自然を表す「海」「空」「陽」「花」などの文字が多く見られるようになっています。つまり、社会全体の欠乏感が、子供の名前に反映されているようなのですね。

では、最近の珍奇ネームの増加はいったい何を表しているのか……。著者は、名付けに関わる親の心理にフォーカスして、考察していきます。
詳しくは本書をお読みいただくとして、私は「名付けには、画数占いの本よりもまずこちらの本を読むべきだ!」と強く思いました。名付けについてきちんと配慮すべきことや、具体的な名付けの方法についても書かれています。これからお子さんの名前をつけるという方なら、一読をおすすめします。
風水・家相にも通じること――迷信ではなく、知恵を利用する
名前には、他者から呼んで(読んで)もらい、自分という存在を認めてもらうという社会生活上の大切な機能があります。そこに「難点」がないことは、名前にとって重要なことのはず。

これって、風水や家相でいう「経験的な知恵」にあたる部分だと思うのですよ。日当たりのよい南側に居間を配置するとか、西日の差す南西にキッチンを置かないというのは、暮らしの難点を減らすこと。それと同じですよね。
気に入った名前をつけたい、というのは親の願いです。でも、子供の人生を思えば、名前としての機能に難点がないことはやはり大切。そう再認識した本でした。

