突然足下の床や階段が崩落…中古物件を選ぶ時は要注意

アパート 住宅設備

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突然、アパートの外廊下に穴が!?

2022年10月1日、北海道旭川市のアパートで、屋外廊下の床が崩れ落ちるという事故がありました。

アパート2階に住む40代男性が2F廊下を歩いていたところ、突然足下の床が抜け落ちたそうです。

階下へ落下した男性は、腰の痛みを訴えているものの、命に別状はないとのこと。

この廊下は、鉄製の枠にコンクリートの床板をはめた構造だったようです。

TVのニュースで見る限り、建物は古く、崩落した部分の鉄枠は赤茶色にさびてぼろぼろでした。おそらく、風雨にさらされて劣化していたのでしょう。

旭川市といえば、北海道の中でも寒さの厳しい地域です。気温がマイナス20度を下回ることも珍しくありません。過酷な気候ゆえ、「凍害」の影響もあるんじゃないでしょうか。

「凍害」とは、コンクリート内の水分が、凍結と融解を繰り返し、ひび割れの原因となるものです。コンクリートのひび割れにより、中の鉄筋を錆びさせることもあるそうです。

樹氷

丈夫な鉄製・コンクリート製の設備であっても、メンテナンスを怠ると安心できないということでしょうね。

外階段や廊下崩落のニュースは少なくない

こうした屋外設備・階段の落下のニュースは時々耳にします。賃貸住宅や、中古住宅を選ぶときには注意したいポイントです。

2021年には東京都八王子市で、アパート階段の崩落による死亡事故がありました。

まだ築8年と、比較的新しめの物件でしたが、階段を支える踊り場部分が腐食。しかも設計では鉄製のはずが木製であった…という事実も判明し、施工にも問題があったようです。

2020年10月には、北海道苫小牧市でアパート2階の外廊下の床が抜け、家族5人が3m下へ落下、ケガをしました。

このアパートは築25年ほどだったといいます。

苫小牧市といえば、海に面した港町。ただでさえ、塩害でサビが発生しやすい土地柄です。点検・補修を適切に行っていなければ、劣化も早まってしまうでしょう。

北海道函館市でも、2016年、アパート2Fの外廊下が崩れ落ちたニュースがありました。このアパートの位置も海に近い場所です。地域的な特性も無視できないですね。

外まわりから管理状況を見る

物件探しではどうしても、立地や建物のほうに気をとられがちです。しかし、物件の価値は、管理状況・メンテナンスによって大きく左右されるのも確か。

外階段のように風雨の影響を受けやすい場所に注目することで、管理の状況・管理者の姿勢を見るバロメーターにもなるんじゃないでしょうか。

階段を歩くとき、きしみや異音がないか。

手すりがぐらぐらしていないか。

部材の接続部分にすきまやひび割れ、変色がないか。

ちょっと関心をもって注目してみるだけで、素人でも気づけるところがたくさんあります。

戸建ての場合なら、ウッドデッキなども腐食による劣化が気になる部分です。

日光・雨にさらされますし、シロアリの食害も気になります。数年に一度は、塗装などメンテナンスが必要と言われています。

ウッドデッキは、子供が遊んだり、洗濯物を干したりと、日常的に使われる場所。突然穴でも開こうものなら、思わぬケガをすることもあるので、点検したほうが安心です。

洗濯ばさみ

物件購入時にはよくチェックを

北海道の物件は、本州在住の人が、投資や別荘目的で購入する場合もあると聞きます。

東京のような都会から見れば、北海道の田舎の中古物件など、さぞ激安に見えることでしょう。しかし条件だけ聞いて実物を見ずに契約すると、思わぬリスクを背負うこともあり得ます。

もし不動産投資物件の場合、入居者に被害を与えるような事故を起こしたら、利益どころの話ではありません。

不動産購入は、見える部分・目立つ部分だけでなく、目立たない部分にこそ注意が必要です。確かな対策としては、専門家による診断「ホームインスペクション」があります。

点検 水道 排水

一戸建てだと、数万円から依頼できると聞いています。

購入で大金を投じた後に後悔するよりは、安心のため必要なコストと考えるべきではないでしょうか。