インテリアのセンスってどこで決まる?
私は家づくりを考えていた頃、住宅展示場や完成見学会にたくさん足を運びました。
展示場や常設モデルハウスは、インテリアがとても素敵で、「いいなあ、お手本にしたいなあ」と思っていました。しかし完成見学会で見た一般の住宅は、正直なところ、「わぁ素敵だな!」と思う家もあれば、「これはちょっと…」と残念に思う家も…。
「インテリアのセンスの有無って、どこで決まるのだろう…」とそのとき思いました。
モノが少ないだけでまず素敵だけれど…
モデルハウスは実際に暮らしているわけではないので、まずモノが少ないということが言えます。モノが少ないというだけで、生活感が薄まりおしゃれに見えますよね。
完成見学会の場合はどうでしょう。こちらも、まだオーナーさんの家具は搬入されておらず、やはりモノは少ないです。それでも、家によってインテリアの素敵さには差が出るのですよね…。
いったい、何が違うのでしょう。
全体の統一感
センスがいいな、と思うお宅は、家全体にどこか統一感が感じられます。部屋によって内装に違いはあるものの、全体としてまとまりが感じられるのです。フローリングやカーテンの素材や色、そして家具や壁紙の色柄などが、うまく調和しています。
いっぽう残念だなと思うお宅は、使っている色柄が多すぎたり、トーンがバラバラだったりして、違和感があるように思います。
以前、ある見学会で、壁紙のチョイスが大胆!なお宅に伺ったことがあります。
リビングは甘くガーリーな花柄、寝室はダークカラーに大きく派手な柄、子ども部屋は原色使いのキャラクターもの…どの部屋も主張が強くて、びっくりしました。家族それぞれが、好きな色柄の壁紙を自由に選んだ結果なのかもしれませんが…。
入居後、家具や雑貨が加わったら、落ち着かない感じになるのでは?…と思いました。子ども部屋のグッズなどは、ただでさえカラフルなものが多いですから…。
あとあと入れる家具や雑貨のテイストも、計算に入れて選ぶといいでしょうね。
要素が増えるほどコーディネートは難しくなる
色や柄は、たくさん使うほど、そして個性が強いものほど、コーディネートは難しくなります。センスのよい人なら絶妙な組み合わせを選べても、素人にはハードルが高い作業です。
ハウスメーカーで建てる場合は、担当のインテリアコーディネーターさんがついてアドバイスをくれますので、それほど問題はありません。ただ業者によっては、インテリアについてあまり詳しくなかったり、施主がすべて自分で決めなければならなかったり…ということもあるでしょう。
山のような見本帳の中から、自分でコーディネートするのは大変です。
センスに自信がなければ、プロにアドバイスをお願いするか、色柄の数を絞るのが無難でしょう。
目立つものはアクセントとして使う
我が家のインテリアを決めるとき、コーディネーターさんがくれたアドバイス。それは、「全体を抑え目にして、一部にアクセントを取り入れるようにすると、上品に仕上がる」ということでした。
たとえば、全体的にはホワイトやベージュのシンプルな壁紙。しかしトイレだけ、北欧風のカラフルで個性的な柄を使うとか…。
シックな玄関に、凝ったデザインの照明がついているとか…。
たしかにそういうお宅を見ると、メリハリをうまく考えているなと感心します。特徴的な目立つものは、アクセントとして使うほうが、失敗が少ないのでしょう。
引き算ができるか
全体的にガヤガヤしたインテリアだと、素敵なアイテムがあっても埋もれてしまいます。本当に好きなものを際立たせるために、引き算的なプランができるかどうかが、センスの分かれ目なのかもしれません。
内装の色や種類は控え目に、モノの数を減らし、生活感のあるものはきちんと収納する。そのうえで、目立たせたいものを厳選して配置する…センスに自信がない人でも、失敗なくおしゃれな家にしたいなら、まずは“引き算”を意識してみてはいかがでしょうか。