お一人様の親類が突然亡くなって
先日、独身一人暮らしの親族が急逝。同居家族がいないため、葬儀後の手続きは親族で手分けして行うことにしました。私は故人のスマホを預かり、電話やLINEの対応、そしてスマホ内の情報確認をすることになりました。
そんなある日、故人のスマホに着信がありましたが、出る前に切れてしまいました。履歴を確認すると、故人が利用していた銀行からのようでした。

と、その履歴を確認している時に、私はうっかり他の着信履歴に触れてしまい、別な方の番号に発信してしまったのです。
着信履歴に誤って触れてしまった
「あっ、いけない!」
すぐに発信をキャンセルしようとしましたが、使い慣れないスマホのため、とっさに切ることができず、相手につながってしまいました。
「もしもし?もしもし!」相手の声が聞こえます。
「すみません!間違い電話をかけてしまいました!」
叫んだ私に、電話相手は「……ああ、そうでしたか、了解しました」と。
しかし……私は焦りました。
亡くなった人のスマホからかけているので、いわば「あの世からの電話」状態になっている……。
「あの世からの電話」状態
私は「申し訳ありません、このスマホは○○(故人の名前)のものですが、本人が亡くなっておりまして……私は親戚の者ですが、誤ってかけてしまいました」と説明しました。
すると相手は、「ああ、承知していますよ」と。
実はこの方、葬儀にも参列してくださっていたのでした。(私は葬儀の受付をしておらず、お名前を把握していなかったのです……)

「私はよく○○(故人)と電話していたからね。あなたはご親戚の方なんですね?このたびは大変でしたね。何かできることあればいつでも電話してください」とお声をかけてくださいました。(なんとお優しいお言葉……)
恥ずかしいやら申し訳ないやらで、「本当に申し訳ございません!」と平謝りで電話を切りました。
たまに「亡くなったはずの人から着信が……」という不思議な話を耳にすることがありますが、私のようなこんな「意図せずうっかり発信」のケースもあるのかもしれません。
すぐに発信をキャンセルしたつもりでも、相手にはワン切り状態になる可能性もあるので、ちゃんと事情をお話できて良かった……。
デジタル終活はとても重要
ちなみに故人は、ありがたいことに、スマホのロック解除番号をきちんとメモにして残してくれていました。
そのおかげで、知人に連絡することもできましたし、取引銀行を把握することもできました。
今はスマホやPCのロック解除ができないことが多く、遺族が苦労すると聞きました。エンディングノートやメモに記録しておくって、本当に大切なことだなと実感しました。
一人暮らしはもちろんのこと、家族がいても、万一に備えてなんらかの対策をしておきたいものですね。