“ちゃんとした子供部屋”って必要ですか?

子供部屋 間取りのヒント

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子供部屋をどうするか

まだお子さんが小さいご家庭では、家を新築するときに子供部屋を計画されることと思います。

モデルハウスなどを見に行くと、シングルベッドと勉強机が置かれた6畳くらいの個室が、2階に設けられていることが多いです。1畳ほどのクローゼットもついている場合が多いかな。

子供部屋

でも、こうした“ちゃんとした”子供部屋って、本当に必要なんでしょうか?

我が家の子供時代

私は子供の頃、親の仕事の都合でよく引っ越しをしていました。

社宅の中には狭いところや、間取りが使いにくいところもありました。なかには、独立した子供部屋がとれないところも…。

そんなとき、父が押し入れに簡単なDIYを施して、ベッドを作ってくれたことがありました。

もちろん、原状復帰する必要があったので、大がかりなことはできません。ですが、当時小学生だった私ときょうだいは、この「押し入れベッド」に大興奮!

「すごい!ドラえもんみたい!」とか「寝台列車みたい!」と大喜びしたことを覚えています。

畳1畳分ほどのスペースですが、プライベート空間を持てたことに満足でした。

また、勉強はリビングの隅に小さなテーブルを置いてやっていました。

時々両親に教えてもらったり、本棚から辞書や地図を持ち出して調べたり…リビングならではのメリットもありました。こういうのを、今どきは「リビング学習」と呼ぶのだそうですね。

宿題中にはテレビを消してもらうこともありましたが、自分の個室でなくても困りませんでした。一人で勉強するより、よっぽどはかどったかも。

最近は、リビングの一角に「スタディコーナー」というスペースを設けた家も増えましたね。「リビング学習」のメリットが、認知されてきたせいかもしれません。テレワーク用スペースとして使う人もいるそうです。

子供部屋の使用期間は意外に短い?

ところで、マイホームで子供と過ごす年月というのは、どのくらいの期間なのでしょう。20歳前後で進学や就職で家を離れるとしたら…夫婦二人で老後を過ごす時間のほうが、ずっと長くなるのではありませんか?

緑の中を歩く夫婦

親が高齢になって2階に上がらなくなり、かつての子供部屋は物置状態…という家庭も多いと聞きます。

だったら、最初から子供部屋のスペースは極力抑えて計画するのもいいかもしれません。

子供のために準備すべきスペースとは

子供たちが小学生くらいまでは、勉強や遊びのスペースは、リビングや和室などで十分ではないでしょうか。

オープンで多目的に使える和室は、友だちが遊びに来たときにも使えますし…。

子供のために準備すべきスペースとして大切だ、と私が考えているのは、持ち物の管理スペースです。

自分の学用品やおもちゃ、本などを管理するスキルを身につけることは、成長のうえでとても重要です。

でも、学校から帰宅して、荷物をいちいち2階に…というのは大人でも面倒くさいですよね。

ランドセルや、学校で必要なものはすべてここに置く…そんなスペースが1階(リビングやクローゼットの片隅で可)にあれば、片付けの習慣も身につきやすくなるのでは?

1階に、子供用品の収納場所だけ設けておくのはどうでしょう?

広い収納つき個室を2階に作るより、1階に小さな収納スペース…のほうが合理的ではないかという気がします。

リビングの床にランドセルを放り出してそのまま…ということも防げるのではないでしょうか。

使ったモノを戻す、というシンプルな習慣を楽に行うには、動線を考えたプランが有効です。この本が参考になります。

思春期を迎えたら

思春期になってプライベート空間を欲しがったら、ちょっと囲ったスペースを準備してあげるのはどうでしょう。カーテンやパーティションで視線をさえぎるだけでも、気分的には違います。

中高生になると、塾や図書館など、自宅以外で勉強する子も増えます。

ショッピングモールの休憩スペースなんかで、勉強している子を見かけませんか?これは、友達と一緒に勉強したいとか、家では気が散るから…ということのようです。

個室さえあれば集中して勉強できるだろう…と親は思いがちですが、そうとも限らないのですね。

家族にとってプラスになる間取りを

もし子供部屋スペースを少し節約できれば、平屋建てにもできるかも…?そうすれば、老後も安心して暮らせます。

もちろん、子供部屋の要・不要はそれぞれの家庭によって違うでしょうから、「子供部屋不要論」を押しつけるわけではありません。

ただ、「子供がいるから子供部屋を作るのが当然」…かどうか、もう一度考えてみてもいいのかなと。

面積を節約できれば、そのぶん土地や建物も小さくて済み、費用も抑えられます。

注文住宅を作るなら、フレキシブルに考えてみるのもよいのではないでしょうか。