6月になると、本州は梅雨のシーズンですね。
私が本州に住んでいた頃、「北海道には梅雨がないんだって?いいねぇ」と言われることがよくありました。
でも最近は「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ばれる、梅雨のようなぐずついた天気の日が増えたように感じます。
北海道でも6月頃に雨が
先日、NHK北海道の放送で、「蝦夷梅雨」の特集をやっていました。
「蝦夷」とは北海道の古称ですが、「蝦夷梅雨」は、正式な気象用語ではないそうです。
北海道で6月頃に天気がぐずつく様子を、「本州の梅雨のようだ」と感じた人が使い始めたのだろう、といわれています。
一般的な梅雨と、蝦夷梅雨を比較してみました。
梅雨 | 蝦夷梅雨 | |
(雨をもたらす)要因 | 梅雨前線 | オホーツク海高気圧 |
期間 | 40日程度 | 10-15日程度 |
降雨量 | 大雨が降ることも | 小雨・濃霧 |
「梅雨」は梅雨前線によるものなので、「蝦夷梅雨」は、厳密には梅雨とは定義されていないわけですね。
「リラ冷え」とは
北海道には「リラ冷え」という言葉もあります。リラ(ライラック)の花が咲く5月下旬から6月頃に、一時的に寒くなる現象をいいます。
私の住む街でも、朝方に気温10度以下になる日もあります。家庭菜園の苗が寒さで枯れることも…。
そのため、植え付けのタイミングはいつも悩みます。
昭和の北海道には梅雨がなかった?
道産子の私が、子供時代を過ごしたのは昭和40~50年代です。
当時、5月後半から6月頃の北海道は、気持ちのよい晴天が多かったように思います。花が一斉に咲き、風もさわやか。蚊などもまだ少なく、屋外で過ごすには絶好の季節でした。
しかし、平成時代になってから、北海道でも梅雨のような日が増えた気がします。
日本気象学会の機関誌「細氷」(2018年発行)にも、そんな記事がありました。
引用:「細氷」64号「北海道に梅雨のない時代は終わったのか?」
この記事によると、「蝦夷梅雨」という言葉が使用されるようになったのは、昭和後期頃のようです。
そして、梅雨のような雨続きの天候が近年、北海道でも現れやすくなっている、とまとめられていました。札幌のデータでは、昭和の後半には4年に一度くらいだったものが、平成になると2年に一度と倍増しているそうです。
降水量の増加によって、土砂崩れなどの災害や、農作物の被害や不作などの影響もあるでしょうから、気になります。
気候変動の影響に対する備えを
家を新築すると、ほとんどの方は火災保険に加入することでしょう。我が家では、火災保険に加えて、地震や水災に対する補償もつけました。
代理店からも、「雨による水害が増えていますから、水災の補償もつけたほうが安心ですよ」と言われました。
梅雨だけでなく、かつて「北海道に台風は少ない・来ない」と言われていましたが、2016年に台風が連続して上陸し、大きな被害も出ています。決して油断はできません。
地域のハザードマップなども参考に、できる範囲の備えをしっかりしておくことが大切ですね。