大手銀行の貸金庫窃盗事件の影響が……
三菱UFJ銀行やみずほ銀行などのメガバンクで起こった、貸金庫内の窃盗事件。昨年(2024)から今年、報道でも大きく取り上げられました。
このブログでも以前、北海道内での貸金庫事情を記事にしましたが、その際にも少し言及していた内部犯行の不安が、現実になってしまいました……。
こうした状況をうけ、「北海道内の金融機関が管理体制を強化している」と、北海道新聞で報道がありました。
北海道内の金融機関の動き
北海道新聞2025年4月9日付けの記事によると、大半の金融機関で貸金庫の管理システムを変更。予備鍵を本部で一括管理にすることや、職員単独で予備鍵を取り出せないような方法にするようです。
また、貸金庫サービス自体を見直す動きも出ているそうです。
北央信組では、1月下旬より貸金庫設置店舗で新規受付を停止。
そして北海道信金。こちらは、顧客だけで出し入れできる全自動型貸金庫がありますが、導入に多額のコストがかかることから「新設店への設置は積極的には行わない」との意向です。
帯広信金は、当面サービスを継続するようですが、「業務負担が大きくなる場合は閉鎖も含めて検討」としています。
利用者にとってサービスが低下するのは残念ですが、まずは安全性が優先でしょう。
安全対策を重視してサービスを継続すれば、コストアップも考えられます。利用料金が上がるのは困るけれど、そこをケチって資産を失っては元も子もありませんし……。難しいところです。
利用する側の意識もアップデートを
今後は、貸金庫のルールもアップデートする必要があるのだと思います。銀行側はもちろんのこと、利用者側も……。
犯行を行った元行員は、借金があったことから貸金庫内の金品に手をつけたそうです。「内部の人間がそんなことをするわけがない」という意識でいるのは、もはやお気楽すぎることでしょう。
以前私が貸金庫を見学した際、「銀行側は中身について把握しません」と聞き、違和感を持ったことを覚えています。そうした「え、それで大丈夫なの?」という感覚を、スルーしてはいけないな、と感じました。
そもそも、中に何が入っているかが明らかでない状況では、紛失や内部犯行を主張・立証することもできないわけで……。
利用する際、銀行側立ち会いのもと、中身を申告して記録する・定期的に確認をするなど、不正の起こりにくい仕組みも取り入れるべきではないでしょうか。「銀行さんだから大丈夫だろう」「確認?面倒くさい」と放置することが、犯行を可能にした一因かもしれませんから。
また、家族に内緒で貸金庫を利用していると、万一相続が発生した時に面倒なことになります。家族に知らせておく、あるいはエンディングノートに明記しておくなど、対策もお忘れなく。
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