道路の真ん中にたたずむキタキツネ

キツネ 外まわり

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道路の真ん中にキタキツネ

先日、車で空知地方の田舎道を走っているときに、キタキツネに遭遇しました。

北海道でキタキツネを見ることは、さほど珍しいことではありません。住宅街でも、時々見かけることがあります。

キツネ

ただ、今回目撃したキタキツネは、ちょっと今までと違っていました。

キツネが、道路の真ん中に陣取って、こちらの車をにらみつけるようにして、動かないのです。走って近づく車から逃げようともせず、むしろ向かってくるような体勢でした。

運転していたのは夫ですが、夫はあえてスピードをゆるめずキツネに近づきました。(もちろん、いざという時は止まれる速度ですが)

すると、ギリギリのところで、キツネは路肩に逃げました。

なぜキツネはそんな危険を冒したのか

どうしてキツネは、そんな危険なことをしたのか。

おそらく、このキツネ、人間からエサをもらうことを覚えたのだと思います。

観光客などが、キツネを見かけた際に、お菓子などエサを与えて呼び寄せたり写真を撮ったりしたのでは、と思われました。

そこは町外れの道路ですから、歩行者ではなく、おそらく車から、です。

そんな経験から、「車に近づけばエサをもらえる」と学習したのでしょう。

振り返ると、私たちの車が去った後、キツネは再び道路の真ん中にたたずんでいました。いつもこうしているのなら、いつか交通事故に遭うかもしれないな……と思いました。だとすれば、キツネにとっても不幸なことです。

野生動物に不用意に触れてはいけない

それに、キツネに不用意に接触するのは危険です。キツネはエサほしさに人に寄ってきてかみついたり、あるいは持っている袋などに飛びかかったりすることもあるそうです

また、キタキツネには寄生虫がいて、エキノコックス症という病気を引き起こすことがあります。感染後、発症まで10年以上もかかって肝機能障害や多臓器不全を起こす、慢性的な病気です。そのため、どこで感染したかがわからない、厄介な病気なのです。

危険がないように見えても、気軽に触ってはいけない……地元民なら、多くの人がそう知っています。

危険を被るのは地元住民

先日、北海道福島町で、新聞配達中の男性がヒグマに襲われ亡くなるという痛ましい事故がありました。以前からゴミ置き場などをあさっていたといいますから、「人間のいるところにはおいしいものがある」と学んでしまったのでしょう。

あえてエサなど与えればなおさら、野生動物が人里に下りてくるのは当然です。

キタキツネは、北海道外から来られた人には、「珍しい」「かわいい」動物かもしれません。しかし、野生の動物にエサを与えることは絶対にやめてください。観光客の軽率な行動によって、後で危険を被るのは地元住民なのです。