暮らしやすい家づくりには寸法が大事
家づくりが進んで具体的な設計が始まると、頭を悩ませることの一つに、寸法があります。
スペースをどのくらいとるか。廊下やドアの間口をどのくらいの幅にするか。食器棚や本棚の高さ、奥行きをどうするか、などなど…寸法を決めるべきところがたくさんあります。
ある程度仕様・規格が決まったローコスト住宅なら、選択の幅はそんなに広くないかもしれません。しかし注文住宅だと、ありとあらゆるところを決めていく感じで、悩むものです。
そこで、私は家づくりを考えてから、どこへいくにもメジャーを持ち歩くようにしていました。
人まかせは失敗のもと
細かいことはよくわからないから…とハウスメーカーの担当者やインテリアコーディネーターさんにおまかせすることも、もちろんできるでしょう。でも、手持ちの家具などがうまくおさまるようにプランするには、自分で考えて指定したほうが安心です。
人におまかせしてしまうと、家ができてから、「ああ~ここをあと3㎝広くしておけば、この棚が置けたのに…」とか、「ここの間口をあと5㎝広くしておけば、車いすが通れたのに」ということだってあり得ます。
設計の打ち合わせまでに、手持ちの家具のサイズをリストアップするとか、間口幅なども「ここは最低でも~㎝確保したい」などと条件をメモして、担当者に伝えるとよいでしょう。
実際の寸法を測るのが一番わかりやすい
寸法の計画は、頭で考えるよりも、ショールームやモデルハウスで測ってみるのが一番わかりやすいです。たとえば、キッチンの調理台と背面収納の間は何㎝がいいかなど、ショールームで実際にシンクの前に立ち、動いてみるのがわかりやすいですよね。
階段の傾斜や玄関の上がり框もそうです。段差の大きさによって、上り下りのしやすさはかなり変わってきます。これは実物がなければ実感しにくいことだと思います。
どこへ行くにもメジャー持参がおすすめ
住宅展示場やショールーム、モデルハウスに見学に行く時には、ぜひメジャーを持っていきましょう。そして、「あ、こんな寸法だと使いやすいな…」と思うところをかたっぱしから測って、メモしておくのです。
「この高さだと作業が楽」「二人並んでも余裕の幅」など、体感的な感想もメモしておくと参考になりますよ。
私はショールームに限らず、カフェや公共施設などでも、座りやすい椅子の座面高さとか、テーブルの大きさを測ってみました。
温泉宿に泊まったときに、ロビーにあった小上がりの高さが絶妙で、「この小上がり、いい!」と気に入って、測ったこともありました。(周りにいた人は、突然メジャーを取り出した変なオバサンに驚いたかもしれませんが…。)
寸法の計画は、実際の住み心地に大きく影響するので、こまめに測ってみることをおすすめします。
ちなみに、ひとくちにメジャーと言ってもいろんな種類があります。やわらかいヒモ状のいわゆる「巻き尺」よりも、「コンベックス」と呼ばれる、金属製目盛りテープのものが使いやすいです。先端にツメがあり、巻き取りがロックできるタイプが測りやすいですよ。