古い通帳、いつまで保管すべき?
銀行の古い通帳って、どうしていますか?
もう要らないのだからと、捨ててしまう人も多いかもしれません。
でも本当にその通帳、捨てて大丈夫でしょうか?
捨てても問題ない?
通帳って捨ててもいいんですか?と銀行や郵便局でたずねてみたことがあります。
すると「保管期間に決まりはないので、捨ててもかまいません。でも個人情報なので、シュレッダーなどで裁断するのがおすすめです」とのことでした。
たしかに、残高や名前、口座番号などがわかる状態で捨てるのは心配。細かく切ったほうがよさそうです。
古い通帳が必要になることもある
ただし、通帳を捨てずに保管しておいたほうがいい場合もあるんです。
自営や、副業で事業所得の確定申告をしている方は、その証拠資料となる通帳を税務上7年保管しなければなりません。
また以前、コロナ関係の支援金申請で、数年前の通帳の写しが必要になることもありました。
仕事用の入出金を記録した通帳は、7年間捨てずに保管しておきましょう。
相続税に関わる人は注意!
では、自分の通帳だけでなく、亡くなった親族の古い通帳はどうでしょう?
処分をどうすべきか困ったことはありませんか?
「もう使わないから捨ててもいいか」と思いがちですが、安易に捨ててはダメです。
というのも、相続税申告の対象になる場合があるからです。
「ウチは財産がないから、関係ない」と思わないでくださいね。
相続税制改正で、これまでは対象でなかった人も、相続税の申告が必要になるケースが増えています。
相続税を申告する場合、預金や不動産など、故人の財産を全部調べて財産目録を作ります。
通帳を破棄しても、銀行では10年間の取引記録を保管しているので、取り寄せは可能。
でも銀行に頼んで取引記録を取得するには、費用がかかります。
残高や入出金履歴を確認したい場合、通帳を保管しておくほうが手間も費用も省けるのです。
また今後は、通帳を作らないネットバンクの普及で、故人の口座がわからず苦労するケースも増えることが予想されます。
エンディングノートなどに、きちんと記録を残しておくのがおすすめです。
税務調査が来る?!
相続税申告後、不審な点があれば、税務調査が入る可能性も…。
税務調査では、お金の動きを細かくチェックされます。
以前、知り合いの税理士さんに聞いたのですが、場合によっては10年くらいさかのぼって調べることもあるそうです。
「調査?逆にそれなら通帳を廃棄してしまったほうが…」と思う人、それはNG!
もともと税務当局は、調査に入る場合、職権で銀行取引についてすでに把握しています。
調査では内容の確認をするだけのこと。通帳を廃棄したところで、税務署をごまかすことはできません。
相続税申告が終わっても、少なくとも1~2年くらいは、故人の通帳類を保存しておきましょう。
ちなみに相続税関連でいうと、亡くなった人本人の通帳はもちろん、家族(相続人)の通帳も捨てないほうがいいそうです。
生前贈与の有無などについて調べるためです。
対象になる可能性があるならば、念のため、古い通帳も10年分を目安に保管しておきましょう。
相続の情報は身近なところにも
相続に関する情報は、最近、終活セミナーなどで学べる機会もあります。
葬儀業界が、セレモニーホールの見学などと併せて開催していることも多いです。
施設によっては、無料でエンディングノートの配布や、法要向け料理の試食会などがあることも…。
地元のフリーペーパーや折り込みチラシ、セミナー案内に、よく目を通しておくといいですよ。