路殺とは何か
風水には、土地と道路の位置関係の教えで「路殺」と呼ばれるパターンがあります。これは、「道路」から受ける「殺気」という意味で、道路がもたらす土地への影響を示しています。
路殺にもいろいろあるようですが、私はとくに、下記の2つについて避けようと思っていました。
1.丁字路・袋小路の突き当り(路沖殺)
丁字路の突き当りは、路沖殺(ろちゅうさつ)ともいわれ、凶相とされています。
丁字路の突き当りの家はよく見かけますが、夜、車のヘッドライトがまっすぐ当たるかたちになるので、夜中など気にならないのかなぁ?と思っていました(遮光カーテンを利用すれば大丈夫なのかな…)。
道路の突き当りは日当たりや見通しがよいという人もいますが、なんといっても車が突っ込むような事故が心配です。
対処法としては、建物や玄関部分をできるだけ突き当り部分から外すとか、塀を設置するのがよいようです。厄除けの鏡を置くという方法も聞きましたが、これは、鏡が光ることで車などに注意を促すという効果があるのかもしれません。カーブミラーやガレージミラーをつけるとか、夜間なら反射材なども役に立つかも…。
2.カーブの外側(路弓殺・鎌刀殺)
カーブした道路の場合、カーブの外側は路弓殺(ろきゅうさつ)と呼ばれ、あまりよくないといわれます。これは、車などがカーブを曲がる際に、遠心力の働きで外側に振られることから来ているのでしょう。丁字路と同様、自動車が突っ込むような事故が心配です。
カーブといえば、鎌刀殺(れんとうさつ)というパターンもあります。鉄道の高架や高速道路などのカーブ外側を、鎌を水平にふるってバッサリと切るイメージです。
そもそも鉄道や高速道路が近い場所は、乗り物による騒音・振動などの影響を受けます。またそうした騒音や振動に慣れて無頓着になってしまうと、侵入盗などの犯罪も心配なので、避けておいたほうが無難でしょう。
路殺が教えてくれること
「鎌刀殺」を知ったとき、私は2005年に起きたJR福知山線の脱線事故を思い出しました。制限速度をオーバーした電車が、カーブで脱線し多数の死者を出した痛ましい事故でした。
動きのあるものが何らかの理由でコントロールを失えば、カーブを逸脱してそのまま突っ込んでいくのはあり得ることです。風水の教えは単なる占いや迷信ではなく、科学的な要素を含んだ経験的な知恵だと私は思うのです。
もちろん、路沖殺や鎌刀殺に該当する建物が、必ず事故にあうと言うつもりはありません。ただ、そうでない場所よりリスクがあるということは確かでしょう。リスクを知ったなら、対策を講じるのが大事ではないでしょうか。
我が家の土地は、ゆるーいカーブの内側の土地です。不動産屋さんから土地の案内を受けたとき、カーブの外側の土地もありました。私は「外側はちょっと…」と思い、内側を選びました。
その後、他の方がカーブ外側の土地を買って、家を新築されました。完成した家は、道路から距離をとって玄関を配置し、道路側には生け垣や物置を配置するなど、安全性を考えた設計をされていました。風水をご存じだったのかはわかりませんが、上手に対処されているなぁと感心しました。
どんな土地にも、気になることはあるものです。その土地にあった手立てが大切ですね。