遠くの親戚より近くの他人
「遠くの親戚より近くの他人」ということわざがありますね。
何か困ったことが起きたとき、遠くに住む親戚よりもご近所さんが頼りになる、という意味です。
先日、それを実感するできごとがありました。
大雪の朝のできごと
北海道で、記録的な大雪が降った朝のこと。
除雪車は幹線道路優先に走り、住宅街の道はどうしても後になります。
そのため、我が家の近くでも立ち往生する車が続出。
それをレスキューしたのは、早朝から雪かきで外に出ていた人たちでした。
タイヤ周りの雪を掘る人、後ろから押す人。
自分の車にロープをかけて、引っ張ってあげる人…。
老若男女を問わず、そこらにいる人は皆、手伝っていました。
ご近所さんのみならず、通りすがりの見知らぬ人の車も、力を合わせて助けてあげていたんです。
助け合いの心に感動
あっちでもこっちでも車が埋まっていたので、助けなければ自分たちの車も通れません。
だから、レスキューは自分たちのためでもあるんですが…。
しかし…それでもですよ。
次から次へとスタックする車を、無償で何台も助けてあげる人、他の人のために協力を惜しまない人が、身近にこんなにいるなんて。
自分の家の雪かきだけでも大仕事なのに。
なんだか、ジーンとしました。
いざという時頼りになるのは、やっぱり近くにいる人だなって。
緊急時に頼りになるのは、近くにいる人たち
何か助けを必要とする時、親族や信頼できる友人を頼りたいのは当然です。
しかし非常時にすぐ駆けつけられるかといえば、なかなか難しいですよね…。
以前住んでいた家で、大雪で玄関に吹きだまりができ、玄関ドアが開かなくなったことがありました。
そのときも、ご近所さんが「大丈夫ですか!」とスコップ片手に助けに来てくれたものです。
あとで小さなお菓子ギフト持参で、お礼に行きました。
「いや、困った時はお互い様ですから…」と恐縮されていましたが…駆けつけてくれた気持ちが、本当にうれしかったんです。
日頃からのおつきあいが大事
地震や台風など大きな災害があった時、ご近所同士で助け合って困難を乗り越えたという人は、きっと少なくないでしょう。
近隣との絆が薄れ、人付き合いがドライになったと言われるこの頃ですが、やっぱりご近所さんとのコミュニケーションは大切だ…としみじみ思いました。
引っ越し時の挨拶や日常の会釈、町内会行事への参加や、ちょっとしたおすそわけのやりとりなど…。
そんなささいなことの積み重ねも、意味があるんだな、と思うんです。
最近、外で雪かきをする時間が長くなり、これまであまり言葉を交わしていなかったご近所さんとも、話す機会が増えました。
大雪はもうこりごりだけれど、そのことだけは、「よかったな」と思ったのでした。