言い伝えには意味がある…「お盆には海や川に入るな」と言われる理由

海 波 家相・風水

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お盆には泳いではいけない、という言い伝え

お盆になったら水辺(海や川など)に入ってはいけない、という言い伝えをご存じですか?

私は子供の頃から、「お盆には海やプールに行ってはいけない」と親に言われていました。

「お盆には地獄の釜の蓋が開く。海や水辺で遊んでいると引きずり込まれて命を落とすから」というのです。

当時小学生だった私はその話に震え上がり、「お盆には泳がない!」と心に決めたのでした。

しかし大人になると、お盆でも海や川、プールで泳ぐ人をたくさん見かけました。

お盆に海や川に行くことを、法律で禁止されているわけでもない。そりゃ泳ぐ人もいるでしょう。

とはいえ、テレビで「お盆に水難事故」というニュースも多く、「やっぱり言い伝えにはそれなりの理由があるのでは…」とも感じていました。

お盆に水辺に入ってはいけない理由

お盆に水辺に入るな、という言い伝えには、どんな理由があるのでしょうか。

理由その1 気象条件

お盆の頃といえば、8月も半ば。暑さが厳しく、ふだん泳がない人でも海に入りたくなる時期ですよね。

ただこの時期、台風や土用波など、海が荒れる要素も増えてきます。

海が荒れ、うねりが発生すると、離岸流や戻り流れと呼ばれる強い引き波が起きやすくなるそうです。

波に抗えず流されてしまうのも、無理のないこと。子どもや泳ぎに不慣れな人は、なおさらです。

海 波

さらに海だけでなく、川の場合も要注意。

その場で雨が降っていなくても、上流で大雨なら、急な増水で鉄砲水が起きる可能性があります。

最近はゲリラ豪雨も多いです。川遊びの際は、上流地域のお天気も調べたほうがよさそうです。

理由その2 クラゲの発生

お盆の頃には、クラゲの発生も増えてきます。

毒性の強いものに刺されると、しびれや強いアレルギー反応が起き、泳ぎどころではなくなってしまいます。

アナフィラキシーショックで救急搬送された例・死亡例もあるそうです。アレルギー体質の方は特に注意が必要でしょう。

理由その3 お盆という時期による理由

お盆休みは、帰省やリゾートへの旅行で、開放的な気分になっているものです。

多少海が荒れ気味でも、「せっかく来たんだから…」「なかなかできないアクティビティ、楽しみにしていたんだから」と水に入ってしまうこともあるかも。

実家への帰省なら、親戚が大勢集まることもあるでしょう。

大人はお酒を楽しんだり、子供たちはイトコ同士で遊んだり…。

そんななか、イトコのお兄ちゃんお姉ちゃんに小さい子がくっついていって、ふと目を離したすきに水に流される…という事故の話も耳にしたことがあります。

海や川でなくても、田舎だと農業用水やため池に落ちる危険もあります。たまにしか行かない場所は、土地勘がないので、危険を察知するのも難しいはず。

お盆の時期に不慮の事故が繰り返し起きたことで、いつしか「お盆に水に近づくと、あの世に連れていかれる」という噂が広まったのではないでしょうか。

「地獄の釜の蓋が…」という言い伝えによって、昔の人たちはその怖さを伝えようとしたのでしょう。

そもそも、お盆はご先祖の魂が帰ってくるといわれる時期。海などで遊んでいないで、しっかりご先祖の供養を…という意味合いもあったのかもしれません。

仏壇 お参り 遺影

北海道でもお盆に水難事故

今年(2023年)北海道でも、お盆期間中に支笏湖で水難事故がありました。

岸の近くで遊んでいた中学生の男の子が溺れ、助けようとした父親(40代男性)が亡くなったのです。

男の子は救助されて意識を取り戻しましたが、自分のために父親が命を落としたと知ったら…。なんとも悲しく、痛ましい事故です…。

支笏湖は日本で2番目に深い湖。水深は最も深いところで約360m。東京タワーの高さ(333m)よりも深いんですよ!

透明度が高くとても美しい湖なのですが…平均水深でも265m、岸の近くでも急に深くなるところがあり、泳ぐのは危険と言われています。過去に何度も死亡事故が起きています。

暑い日、きれいな水辺でパチャパチャ水遊び…のつもりが、急に深みに足を取られたら…。

深いところは水温も低いでしょうから、思うように体を動かせくなるかも。まさに、水の底に引っ張られるように溺れてしまう…。怖いです…。

海・川でのレジャーの際は、ライフジャケットを用意するなど、くれぐれもご注意ください。

海や川はともかく、プールは?

ちなみに「じゃあ、お盆にプールに行くのはどうなんだろう」という疑問もあるでしょう。

疑問に思う女性

離岸流やクラゲは関係ないでしょうから、海や川よりは安心でしょうね。

でも、夏休み中で混雑したプールだと、つい大人が子供の姿を見失う…という危険はあるかもしれません。

子供が溺れるときは、バタバタ暴れることなく静かに溺れる、と聞いたことがあります。(本能的溺水反応というそうです)

ほんのちょっと目を離しただけでも、事故は起きます。水のあるところでは、常に危険と隣り合わせだということを肝に銘じておくしかないですね。

言い伝えが教えてくれること

昔からの言い伝えには、何かしらの教訓や経験的な知恵がある…本当にそう思います。

家相や風水にも、きっとそんな一面があるはずです。

盲信するのはよくありませんが、参考にしてみる価値はあるのではないでしょうか。