建物の欠けは悪影響?家相の「張り・欠け」に根拠はあるのか考えてみた

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家相では「張り・欠け」を重視する

家相の世界で重要視される項目のひとつに、建物の張り・欠けがあります。

「張り」というのは出っ張り、「欠け」はへこみ部分を意味します。張りは吉相、欠けは凶相とされ、方位によって影響する内容が違うと言われます。

しかし実際の建物の張り・欠けをどう判断するかは複雑で、素人にはなかなか難しいものです。基本的には建物の1辺の1/3より小さい凸部を「張り」、いっぽう1辺の2/3以内がへこんでいる場合を「欠け」と呼びます。

「張り・欠け」を考慮はしたが…

我が家では家相の本を参考に、「張り・欠け」についても意識していました。ですがそもそも、なぜ張りや欠けが運気に影響をもたらすのか、具体的な理由はわからなかったんですよね。あくまで「家相ではそう言っているから…念のため…」という感じだったんです。

ただ、家づくりをしていくなかで、ハウスメーカーさんに聞いたことや、実際に建ててみて「こういうことか…」とわかったことがあったので、書いてみます。

張り欠けの影響

家の強度

張りや欠けができるということは、家の形が複雑になるということです。

たとえば地震の際、家の形が複雑になればなるほど、揺れによる力のかかり方が偏ることもあるでしょう。建物にかかる負担も大きくなる可能性があります。

地震で壊れそうな家

我が家は新築直後に北海道胆振東部地震に遭遇しましたが、建物への被害はありませんでした。室内も、モノが落ちたり家具が倒れたりということもなかったです。

新築直後に大地震!平屋は地震に強い?実際に経験してわかったこと

ハウスメーカーに「張り・欠けなし、しかも平屋で、地震に強いつくり」だと言われていたのが実証された…と思いました。

通気や日当たり、雨の当たり方も、家の形によって違ってくるはず。長い目で見れば、家の耐久性にも影響するだろうと思います。

お金にかかわること

デコボコした建物は、屋根や外壁も複雑になって手間がかかり、割高になるそうです。我が家はタイル外壁ですが、凹凸が多いと材料費・手間代が高くなると言われました。役物と呼ばれる特殊な部材が必要になるし、施工の手間も増えるそうです。

また屋根に谷の部分が多くなれば、構造上、雨漏りの可能性も増します。修理することになれば、費用の負担も大きいですね。

防犯面

家に凹凸が多いと、空き巣や不審者が身を隠せる場所になりかねません。家のまわりは見通しがよいほうが安心です。

家の美観・環境

白っぽい家の外壁に、緑色の藻のような汚れがついているのを目にしたことがないでしょうか。建物の欠け(へこみ)部分は通気がよくないので、そういった汚れがつきやすくなります。

また、入隅部分には落ち葉などが吹きだまりやすく、雨を吸ってジメジメしたり、虫がわいたりもします。そういう状態を、昔の人は「気が淀む」とか「気が乱れる」と表現したのかもしれませんね。

我が家は張り欠けのないつくりですが、コンクリートのテラスがちょっと出っ張っており、入隅があります。そこによく落ち葉がひっかかるので掃除するのですが、ダンゴムシやらクモやら出てきて困ります…。

「張り・欠け」も暮らしの知恵のひとつ

「張りをつくれば出世する」とか「欠けがあると家運が下がる」とかいう家相の言い伝えに、はっきりした根拠はないのかもしれません。でも家を長持ちさせ、快適に暮らすための知恵としては有益なものと言えるのではないでしょうか。

結果的にメンテナンスなどお金にかかわってくるとなれば、家運に影響するということもあり得ます。

「でも張りだってデコボコになるのだから、よくないのでは?」と思う方もいるでしょう(私もそう思いました)。おそらく、やむを得ずデコボコを作るなら、小さめにすべきという助言・知恵ではないかと思います。

見た目のデザインはともかく、構造や耐久性という意味では、極力、シンプルなつくりにするほうがメリットがある…やはり張り欠けは少ないほうが安心、というのが私なりの結論でした。