樹木葬・散骨…墓石不要のお墓について考えてみた

木漏れ日 暮らしノート

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春の訪れとともに折り込みチラシが

お彼岸を過ぎて暖かくなってくると、北海道でも墓地や納骨堂の折り込みチラシを目にすることが多くなります。

休日には、見学会や家族で楽しめるイベントなども企画されているようです。
ドライブがてら行ってみる…というご家庭もあるでしょう。

最近のお墓は、公園のようにきれいに整備され、墓石もモニュメントみたいなしゃれたものも多くなりましたね。「○○家」の代わりに「愛」とか「絆」などと彫られたお墓も時々見かけます。

緑の中を歩く夫婦

従来型墓地が抱える問題

でも実は私、こうしたお墓にはあんまり興味がないんです…。

かつて東日本大震災で、墓地で大きな墓石が倒れたり崩れたりしたのを目にして以来、私は「墓石はいらない…」と強く思うようになりました。

大きく立派な墓石は、子孫が元気なうちは、故人を思い出すシンボルにもなることでしょう。でも、墓守がいなくなってしまったら、管理していくことができません。

もしも災害で墓石が倒れたり壊れたりしても、そのまま放置されるとしたら…。

自分の親族や、地域の人たちに心配や面倒をかけるようなことは嫌だ…と思うんです。

従来のお墓の形では、空き家問題と同じことが必ず起こってしまう、と私は考えています。

今後、古くなって管理されなくなった墓地が、どんどん増えていくでしょう。

ではどうしたらいいのか…?

樹木葬のお墓は?

そんな私の希望にぴったりな墓所が、「樹木葬」でした。

樹木葬は、1999年、岩手県一関市で始まりました。日本初の樹木葬墓地「知勝院」です。

故人の鎮魂、遺族の癒やし、そして緑豊かな里山の保全を目的とした、これまでにない試みでした。

知勝院では骨壺は使わず、遺骨を細かく砕いてそのまま土中に埋め、地域の植生にあった樹木の苗を植えます。(樹木は数種類から選べるようです)

以前、岩手の「知勝院」に伺って、見学をさせていただいたことがあります。

交通は少し不便ではありますが、鳥や虫の声がする、穏やかな里山です。緑豊かで、まさに“日本の原風景”という感じの場所。

「北海道からも、たくさんの方が利用なさっていますよ」とのお話でした。

知勝院 墓所へつながる小道

樹木葬墓地では、里山の自然を守るため、お墓にお供えできるのは切り花のみ。
山火事を防ぐため、お線香・ろうそくも禁止です。

故人の名前は、ごく簡素な木札に表示されます。よく公園などにある、木の名前を書いた札みたいな、そんなイメージです。

私にとっては、その簡素さこそが理想的で、「ぜひ、こういうお墓に眠りたい!」と思ったのでした。

自然に還る「樹木葬」はまだ少ない

見学後、北海道でも「樹木葬」が可能な墓所がないのか調べてみました。

「北海道 樹木葬」と検索すると、霊園等のサイトはいくつも出てくるのですが、知勝院の樹木葬とは内容が異なっているようです。

なかには、骨壺のまま納骨する・石のプレートを設置など、実質的に一般の公園墓地と変わらないスタイルも。

スマホを見る女性

私のイメージする「自然に還る樹木葬」とは全く異なるものでした。

北海道にも、「知勝院」のような樹木葬墓地があるといいのに…。

自然に還るといえば、海や山に遺灰をまく、散骨という方法もあります。

ただ、散骨はお墓がなくお参りする対象がないため、“よりどころ”がなくて寂しい…という声も耳にします。家族などと、よく相談しておく必要がありますね。

個別の墓をもたない選択肢は…

個別の墓をもたない選択肢としては、公営の合葬墓という方法もあります。
北海道でも、自治体でそうした合葬墓方式を取り入れるところが少しずつでてきています。

ただ合葬墓では、遺骨が他の人と一緒にされてしまい、後で取り出すことはできません。散骨と同様、「遺族がどう考えるか」についても考慮しておくべきでしょう。

最近は「手元供養」といって、ごく小さな骨壺に遺骨の一部を入れ、身近に置いて供養するという方法もあるようです。

骨壺といっても、まるでオブジェのように綺麗で、かわいらしいものが色々販売されています。

これなら、リビングの一角に置いてあっても違和感なく、いつでも故人を身近に感じることができます。

家族ともよく相談を

こうしたものをうまく使いながら、将来的に子供に面倒をかけないお墓のあり方を、これからも家族で相談していこうと思っています。

あまり年齢が高くなってからだと、いざ行動…と思っても大変そうですからね。
50代の今から準備しておくのが安心かな、と私は考えています。