太極拳の準備運動スワイショウ
先日、視力が回復した記事を書きましたが、その理由と思われるのが、太極拳の準備運動として行っている「スワイショウの効果」です。
スワイショウとは、体をねじるように両手をブランブランと動かすだけの、シンプルな運動です。
太極拳クラスでは、開始時に数分間、みな無言でこの動きを行います。単純なのでただ無心に行うことができます。「動く禅」と言われることもあるようですね。

スワイショウなのに何かが違う?
そんな中、私はぼーっと、周りの参加者の動きを眺めていました。そして、ふと気づいたんです。
「動きが違う人がいる……?」
一見普通のスワイショウ。なのに、何かが違う。でもいったい何が?
じっと見ているうちに、ハッとしました。
「あ、この人、体幹がまったく動いていない!」
両腕は、左右にブランブラン動いています。でも、体幹はまったく動いていませんでした。肩の位置も、微動だにしていません。
その方は、御年80歳代後半とお見受けするご婦人。背中がいつも丸く、歩くときもややヨチヨチ加減。もしかすると、体が堅くて動かせないのかも……と思いました。
スワイショウの動きはやわらかく
スワイショウは、ひざをゆるめ、上半身の力を抜いて、やわらかく体をねじるように動かす、と習いました。ねじって、ほどいて……をくり返す感じです。
その結果、血行や体のバランス感覚を改善し、体の緊張をゆるめ呼吸も深くなるといわれています。
あとで先生に確認すると、やはりゆったりと体全体をねじるのが正しいとのこと。ですが、体が堅い人や、背の曲がった高齢者の場合は、無理にひねらなくてもよいそうです。
例のご婦人は、娘さんに連れられて数ヶ月前から参加された、いわばまだ新人さん。
先生いわく「自分のできる範囲で、少しずつ体を動かすことで、徐々に可動域を広げていけばよいのですよ」と。
確かに、無理矢理ひねりすぎて、変にスジを痛めてしまうと本末転倒ですもんね。
人によって動きに差が
その後、あらためて周りの参加者全員の動きに注目してみました。
やはり、人によって回転の範囲や、動きの柔らかさには差がある!と気づきました。
ご年配でも太極拳歴の長い方は、動きが優雅で、回転の範囲もゆったりと大きかったです。いっぽう、若くてもなんだか動きが小さく、ぎこちない人も。
自分はどうかと気になり、練習場の鏡に向かって確認。……うーん、まだまだですわ。
思えば、かつて整体なんかに行くと「胸椎のあたり、ガチガチですね」とよく言われた私。先生のようにゆったり優雅には動けていません。
背骨の動きがなめらかになれば、そこを通る神経にもよい影響があるはず。それに筋肉が固まっていると、スムーズに動かせないですからね。これから一層、体の動きを意識してみようと思います。