『帰りたくなる家』ブックレビュー:「ただいま動線」が教えてくれる家づくりのヒント

窓から緑間取りのヒント

本を読んで家づくりに役立てる

これから家を建てようと思う人はだれでも、自分の理想の家のイメージを思い描いていると思います。私もそうでした。平屋がいいな、庭がほしいな、インテリアはナチュラルテイストで…などと夢をふくらませていました。そして具体的なプランを作るにあたっては、たくさんの本を読みました。

今回ご紹介する本は、私が「家を建ててしまってから」読んだ本です。「建てる前に読みたかったなぁ、いい本だなぁ」と思ったので、ご紹介しておきます。

家事アドバイザー、スーパー主婦として知られる山崎美津江氏による、家と暮らし方に関する本です。写真多め、文字大きめで、50代の私にも読みやすかったです。文章もやさしくわかりやすく、それほど厚くないので、読むのに苦労は要りません。でも中身が深い本でした。

ハッとするフレーズがたくさんある本

この本には、なるほどな、と思えるフレーズがたくさんありました。

たとえば「ただいま動線」。

『帰ったらカバンはどこに置きますか?靴、アクセサリーは?子供なら汚れた体操着は?プリントは?』

引用元:山崎美津江(2019年)著『帰りたくなる家』株式会社婦人之友社(16ページ)

この一節に、間取りのヒントがあります。『動線が決まるということは「置き場所」が決まるということ』(同16ページ)や、『物にも「帰る場所」を』(同18ページ)という記述にも、ハッとしました。

モノの「帰る場所」とは定位置のこと

こういうことを考えてプランすることで、「片付く家」ができるのですよね。

我が家が【玄関→洗面所→ファミリークローゼット】という動線をプランに組み込んだのも、こうしたことを実現したかったからです。それを「ただいま動線」とひとことで表せるとは…いいネーミングセンスだなぁと思います。

いい家をつくるのに役立つ知恵

他にも、暮らし方に関する役立つ知恵が、この本ではたくさん紹介されています。合理的でシンプルな掃除の方法、床やテーブルの上にモノを置かず、「平ら」にするという考え方、家族が動く仕組みをつくる、などなど…。

窓のそばのテーブル
テーブルの上をいつも「平ら」に

きれいで快適な家。忙しくても片付けやすい家。家族が家事に協力しやすい家。そういう家を作るには、知恵が要る。この本を読むとそれがわかります。

こうした知恵を取り入れて暮らしていれば、家を建てる時も、きっといい家が建てられるでしょう。それに、建てるための費用も抑えることができると思うのです。暮らしが効率的になれば、結果として、収納スペースなども減らすことができるからです。

暮らし方のイメージを設計者に伝えるためにも

暮らしやすいマイホームのプラン、間取りを作るには、自分たち一家の暮らし方や希望を整理し、設計者に伝えなければなりません。「こんな暮らし方をしたい」「こういうところが不便だから、こうしたい」など…ふだん何気なくやっている行為や、家への思いを言語化して伝えるというのは、家づくりの中でけっこう大変な作業でした。

自分の頭の中にある漠然としたイメージを言語化する時、参考にした本の言葉を借りて伝えたこともありました。「ただいま動線」も、使いたかったな…。

この本はきっと、そうしたニーズのある人にも、何かしらの気づきを与えてくれると思います。

建てた後に、快適な暮らしをキープするにも、きっと役立つ知恵ばかりです。

もちろん、マイホーム計画中でなくても、「忙しくてもキレイな家に住みたい」と思う方には役に立つ一冊となるでしょう。暮らし方のヒントをたくさんくれる本です。