お墓参りで…
お盆休みに、お墓参りに行ってきました。
お墓は、公営墓地の一角。広い敷地に、たくさんのお墓が並んでいます。
お花やお線香がたくさん供えられたお墓もあれば、もう何年も、誰も訪れた形跡のないようなお墓もありました。
雑草が生い茂り、苔むし、荒れ果てたお墓。
そうなってしまうのは、お世話をする所有者・後継者がもういないということでしょう。
つまり、「空き家問題」と根っこは同じなんですよね。
何も手を打たずにいると、親族など関係者や、地域の人々に迷惑をかける可能性も…。
無縁墓と空き家の共通点
お墓参りに行く途中にも、田舎道の道すがらにいくつもの空き家がありました。
誰も住まなくなって傷み放題。窓ガラスが割れ、壁にはヒビ…。
屋根は雪の重さでつぶれ、穴が開いていました。
相続人がいなければ、誰も処分できないまま、朽ちるのを待つばかり…。
立地や交通アクセスのよい物件なら売買されることもありますが、不便な田舎の物件はどうしても敬遠されがちです。
こうした状況が続けば、地域のイメージダウンとなり、さらに過疎化がすすむ一因にもなるでしょう。悪循環です。
財産を残したつもりが負担に…?
家やお墓、かつてはどちらも、先祖代々受け継がれる財産だったはず。
でも今は、かならずしもそうではなくなっているのですね。
「田舎にお墓や不動産があるが、いずれは処分しなければ…」
「子供たちに迷惑をかけたくないし…でもどうしたら…?」
…そういう人は、きっとたくさんいらっしゃると思います。
実家が遠くお参りするのも大変なので、家の近くのお墓に移したい…と「改葬」を希望する方も多くなってきたと聞きます。
空き家の売却・墓じまい・改葬が注目されるようになったのは、
「自分たちのことで、残される家族に迷惑をかけたくない」
と考える人たちが増えてきた表れでしょう。
手を打つなら早めに
ただし、墓じまい・改葬をするにも、経費や労力がかかります。
改葬にあたっては、菩提寺への離檀料(墓じまいをして檀家をやめる費用)がかかることもあり、その金額は数万円~数十万円とも言われます。
中には法外な離檀料を請求され、トラブルになったという話も聞きました。
早めに情報を集めて、菩提寺への相談や、改葬先の見積りなど、具体的に行動することが大切です。
最近は、後継者不要の合葬墓や、永代供養の墓所も増えてきました。
見学会や終活セミナー・相談会などのイベントも定期的に行われています。お盆やお彼岸の頃に、新聞にチラシが入ってくることも多いので、チェックしてみるといいでしょう。プロによるアドバイスが得られる、よい機会になると思います。
エンディングノートを使ってみる
自分の葬儀やお墓など死後のことは、どんなにしっかりした人でも、本人は何もできません。
だからこそ、「こうしたい」という希望や段取りだけでも考えて書き残しておく。
それが、残された人の助けにもなるのでは…と思うのです。
ちなみに私は50代になってすぐ、エンディングノートを書きました。
お墓や葬儀のことも、自分なりの希望を書いています。
エンディングノートは、「亡くなった後のこと」を書くと思いがちですが、どちらかというと「この先の人生をどう生きるか」につながるものだと思います。
書くことで、自分の人生の棚おろしができ、「何をしたいか、しなければならないか」が明確になります。私自身、書いてみたことでいろいろと気づきがありました。
だからこそ「高齢になってからでいいや…」ではなく、むしろ若く元気なうちに書いておくのがおすすめです。書いてみる価値はあると思います。
お盆やお彼岸のお墓参りは、人生について考えるひとつのきっかけになり得ます。
家族や親類と話し、これからのことに思いをはせてみるもよいのではないでしょうか。