高齢の親の終活、エンディングノートが助けになる②道新「私のくらし便利帳」レビュー

私のくらし便利帳暮らしノート

北海道新聞社から発行の「私のくらし便利帳」

家族が終活に興味を持ったことから、エンディングノートについて調べていたちょうどその頃、地元の新聞「北海道新聞」で、「55歳から始める 私のくらし便利帳」というノートが発刊されたという記事を見かけました。

家族・親戚、友人などの連絡先や、かかりつけの病院、お薬メモから家計管理など、くらしの備忘録として使えるノートです。

さらに、子供の頃の思い出やこれまでの歩みを記すページ、未来に向けてやってみたいことや、片付けたいモノ、気になっていることなどを書くページもあります。

エンディングノートとしても使えそうな感じでありながら、「エンディング」を意識させないタイトルと表紙。「55歳から始める」といううたい文句もなかなかいいじゃないですか。これなら、高齢の親にプレゼントするにもよさそう!と思いました。

一般書店では販売していない

商品を確認しようと書店に行ってみたら、「このノートは取り扱っておりません」と言われました。新聞店などで販売されており、一般の書店では置いていないそう。そこで、私は近くの北海道新聞販売所で購入しました。

ほかには道新文化センター・道新プレイガイド、またどうしんオンラインストアでも販売されています(別途送料がかかります)。

価格は税込み550円。A4判38ページ。薄めの冊子なのでやや割高感はありますが、市販のエンディングノート(だいたい千円前後)に比べれば安価です。

書くべき項目について

エンディングノートと違って、「くらしの便利帳」ですから、電話帳メモっぽい雰囲気が先行します。でもこれはこれで、意外にいいかも。高齢者はこうしたメモをたよりに、固定電話をかけることもまだ多いですからね。

記入欄は大きめでゆとりがあり、備忘メモ欄も余裕があります。記入項目がシンプルなので、心理的な負担を感じにくいのもメリットです。あまり項目が複雑で多すぎると、ちょっと面倒に感じそうですしね。

記入欄にはゆとりがある

よく利用するお店や公共施設の℡番号を書く欄もありました。買い物は宅配を利用しているとか、コミュニティセンターで習い事をしているとか、そういったことから日ごろの暮らしぶりを知ることもできます。離れて暮らしている家族なら、意外に知らないことかもしれません。

今後の予定を考えるきっかけにも

「おっ」と思ったのは、「車・免許証のこと」という項目です。「免許の返納予定 〇歳(令和〇年)」という欄がありました。

高齢者の免許返納については、社会問題にもなっていますよね。

すぐに書ける人は少ないでしょうが、話題にするきっかけ、考えるきっかけになるだけでも意味があるはずです。

また、今後の希望を書くところには「行きたい旅行先」「食べたいもの」などの記入欄もあります。書いてもらうことで、家族旅行などを計画する際、参考にもなるでしょう。

記入欄以外の項目について

後半には、国内外の主な出来事などをまとめた年表があります。このへんは、さすが新聞社発行、という感じですね。当時の流行歌・流行語も書いてあり、昔話のきっかけにもなりそうです。

巻末には、手作りマスクの型紙がついていました。

「なぜここにマスクの型紙?」と、私はちょっと違和感を覚えました。このノートには「おうち時間を心豊かに過ごすノート」というサブタイトルがついていますので、コロナ禍という状況もあり、設けられたページなのでしょう。でも、こうしたノートに入っている必要はあまり感じません…。

さらにより良いノートにするための提案

私個人としては、マスクの作り方よりも、盛り込んでほしかった項目がありました。

それは、延命治療の可否、そして葬儀やお墓の項目です。

エンディング感が前面に出すぎているのはちょっとイヤなのですが(とくに親にプレゼントする場合など)、項目としては作っておいてほしかったです。

元気な時でも、檀家としてお寺さんとのおつきあいがあったり、万一にそなえて互助会や葬儀社と契約していたりという場合もあるでしょう。それこそ、いざという時家族に知っておいてもらいたいことではないでしょうか。

あと、パソコンやスマホのID・パスワードを記入する欄があるので、管理に注意すべきことも忘れてはいけないと思います。

電話帳として利用された場合、人目にふれる場所に無造作に置かれることもあるでしょう。銀行ATMの暗証番号はここに書かないように、という注意書きも必要かもしれません。情報保護シールやセキュリティシールなどを用意するのも一案ではないでしょうか。

さりげないタイトルがいい

「私のくらし便利帳」は、いくつか要望点はあるものの、総じて使いやすいノートだと思いました。

値段が手ごろで、気軽に書けるノートとしておすすめなのはもちろんですが、私はやはり、タイトルが一番気に入りました。これなら、誕生日や敬老の日などにプレゼントするにも、気がねなく選べそうです。

今はコロナ禍で、帰省もなかなか難しいですが…今度親元を訪れるときには、このノートを持っていってみようと思います。