今どき、弔電に意味はある?
先日、親族の葬儀に出席しました。
何通もの弔電が届き、告別式で披露されていたのですが…。
連絡手段が限られた昔と違い、スマホがあれば瞬時にメッセージが届く時代。
なのになぜ、弔電は今でも利用されているのだろう…と、ふと思ったんです。
その理由について、あらためて考えてみました。
弔電のメリット
一般的に、弔電を送るメリットとしては、
・事情があって参列できない場合に、とりあえず弔意を伝えることができる。
・香典や供物を送るほどではないが、気持ちだけ伝えることができる。
といったところでしょうか。
故人との関係性の濃さによって、葬儀に参列するかしないか、迷うこともあるでしょう。
またコロナ禍のように、行きたくても行けない…という場合もありますね。
あとでお香典を送るにしても、とりあえず急いで何らかの弔意を表すのに、弔電は使い勝手がよい手段です。
弔花や供物より費用負担が少なくて済むのも、メリットでしょう。
メールやLINEだけでは失礼?
ですが、前述のように「とりあえず弔意を伝える」、「香典や供物を送るほどではないが、気持ちだけ」というメリットなら、メールやLINE(あるいは手紙でも)で十分なはず。
ならばなぜ、弔電という手段が生き残っているのでしょう?
まず考えられるのは、「メールやメッセージアプリでは失礼なのでは…?」ということ。
年代や、関係性にもよるでしょうけれど…確かに、人によっては軽く感じられてしまうかもしれません。
ごく親しい人ならともかく、目上の方などのお悔やみには、やはり弔電のほうが無難だと思います。
普段からLINEなどで連絡を取っているなら、問題ない場合もあるでしょう。でも、絵文字やスタンプなどを送るのは、控えたほうがいいでしょうね。
使い慣れているからと、ついうっかり絵文字を送っちゃった…は避けたいもの。
送るなら、思いやりをもった丁寧な文面を心がけるべきでしょう。
読み上げられることに意味がある
そしてもうひとつ、弔電ならではの特徴があるな…と気づきました。
それは、「弔電は斎場で読み上げられる」ということ。
もし個別にメッセージを送った場合、そのことは当事者同士にしかわかりません。しかし弔電ならば、「お悔やみ申し上げます」という気持ちを、ほかの参列者に知らせる効果も期待できます。
本来ならば参列すべき人が「来てないわね」と思われるのが気になる…という場合に、弔電だけでも打っておけば、まずは面目が立ちます。
そこが、メールなど個別メッセージとの大きな違いだと思います。
弔電から故人の人生が垣間見える
また弔電は、親族や友人のほか、故人や遺族の勤務先などから送られることが多いはずです。
参列者は「故人は○○会社にお勤めだったのか…」「息子さんは△△関係のお仕事か…」などと知ることができます。
つまり、弔電によって故人や遺族の仕事、暮らしぶりが垣間見えるということなんです。弔花・供物に添えられた名札も、同様ですね。
「有名な会社にお勤めで…」「お子さんたちも立派になられて…」などと思ってもらえる効果もあるんじゃないでしょうか。
故人の人生を少しでも誇らしく見せることができれば、遺族にとっても慰めになることでしょう。
議員から弔電が?
さらに、居住地の首長や議員から弔電が届くこともあります。とくに面識もないのになぜ?と戸惑う方も多いようですが…。
交友関係の広さは、人徳にもつながります。“お偉いさん”や議員などからの弔電が次々に読まれることで、故人の人生に箔がつく…と考える人もいるかもしれません。
ただ、こうした人物からの弔電は、選挙がらみの宣伝的な要素も感じられますね。
(もちろん、故人が生前、後援会などに入っていた可能性もありますが…。)
そういうのは嫌だと感じるなら、弔電披露から除くこともできます。
「弔電を披露するかしないか・読む順番をどうするか」は、斎場スタッフが遺族の意向を確認してくれます。
必要なものだけ選んで、あとは「…ほか、○通の弔電を頂戴しております」としてもらっても、問題はないでしょう。
弔電の文面をどうするか
読み上げられる弔電の多くは、ほとんどが定型文を使ったものです。
弔電の文面は、忌み言葉を使わないようにとか、相手の気持ちに配慮してなど、考えることがいろいろあって難しいです。
失礼のないように、文面に自信がないときは定型文を使うのもいいでしょう。
とはいえ、時に、オリジナルであろうメッセージが読まれるのを耳にすることがあります。
そんな時はやっぱり、心に残りますね…。
よくある決まり文句でなく、心のこもったメッセージを送りたいときはどうしたら…?
そんな時は、定型文を参考にしつつ、具体的な故人との思い出を書き添えてアレンジするのがおすすめです。
NTT西日本のコラムがわかりやすいです。
もし弔電を送る必要がある時には、参考になさってみてはいかがでしょうか。