NHKの朝ドラ「おかえりモネ」を見て考えた
私はふだんから、NHKの連続ドラマ小説(朝ドラ)をよく見ています。
2021年前期放送の「おかえりモネ」は、主演の清原果耶さんはもちろん、坂口健太郎さんや西島秀俊さんなど、大好きな俳優陣が出演していることもあり、毎朝楽しみにしてきました。
主人公の「モネ」こと永浦百音は、気象予報士という仕事に魅力を感じ、猛勉強をして難関を突破。故郷の宮城県を離れ上京し、働き始めます。
いっぽう妹の未知は、家業の養殖を助けるために水産高校へ行き、地元に残ります。
モネの友人たちも、東京に出る者もいれば、悩みながらも地元での暮らしを続ける者もいます。
皆、それぞれの生き方があり、どれが正解と決められるものではありません。そんな登場人物たちの思いが時にぶつかり、波紋を広げながら、物語は進みます。
このドラマを見ていて、ふと思ったんです。
人間にとって「どこで、誰と、何のために生きていくか」って、大きな問題だなって。
この「どこで、誰と、何のために生きていくか」という問いは、家づくりにも関わることではないでしょうか。
どこで生きていくか
土地や家は、もちろん売買することもできるけれど、そう簡単に買い換え…というわけにはいきません。それだけに、長い年月をここで暮らせるか…ということを、よく吟味して土地を選ぶ必要があります。「どこで生きていくか」を考えずに、土地は決められませんよね。
そして、選んだ土地の気候や地盤にあった設計・設備が可能な業者を選ぶことも大切でしょう。つまり、家づくりパートナーの選定にも関わってくるということです。
誰と生きていくか
「誰と」というポイントはどうでしょう。
多くの場合、マイホームを考えるのは「家族と一緒に…」ということがほとんどでしょうが、家族は時とともに形が変化します。
夫婦二人でスタートしても、子供が何人になるのかはわかりません。いずれは年老いた親と一緒に住むこともあるかもしれませんし、夫婦のどちらかが先に亡くなり、一人暮らしをすることも考えておかねばならないのです。
誰と一緒に、どのくらいの年月を過ごすかによって、家の間取りも変わるでしょう。建築材料も、耐久性やメンテナンスをどう考えるかで変わってきます。
そして、自分が「こんな家にしたい」と思っても、家族皆がそれに賛同してくれるかはわかりません。意見を調整するために、しっかりコミュニケーションをとることも必要です。
何のために生きていくか
そして「何のために生きていくか」は、職業や趣味など、毎日の生活のスタイルにも影響します。
どんなことを優先して暮らしていくのか。それによって家のつくり・間取りも変わるはず。
家をつくることは、人生を考えること。私自身、実際に家を建ててみて、強くそう感じました。
買うも買わないも大きな決断
家をつくるには高額な費用がかかります。住む場所も固定され、背負うものが大きくなるのは確かです。
だから「建てない」という人もいるでしょう。人生のリスク管理として、そういう意見も当然あるはずです。
それでも…家をつくることで得た経験というのは、後々の人生できっと何かの役に立つ、と思うのです。
たとえば、
「どんな家を作るか」という思い。
「ここで暮らしていく」「多額のお金をかける」という覚悟。
決断までに考えたことのすべてが、自分の経験値を上げることにつながっているはずだ、と。
家を建てることは、不動産としての財産だけでなく、経験値という見えない財産も、手に入れることではないでしょうか。私はそう思います。
今のご時世、あなたが「家を建てよう」と思える状況にあるならば、それは幸せなことです。
建てるのならばその機会を十分に生かし、楽しんで、味わって、家づくりができるといいですね。