方位占い、気にしますか?
風水や家相を信じる方の多くは、土地選びや、移転する場合の方位についても気にするのではないでしょうか?
「暗剣殺」とか「五黄殺」という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。これらの言葉は、「九星気学」という占いにおいて、災いをもたらすと言われる方位です。
これらの方位は周期的に毎年変わり、「20XX年の『暗剣殺』は北西」などと、移転や移動の吉凶を占うために使われます。
私も一応、土地購入や引っ越しのタイミングは占いの本を参考にしました。
全面的に信じているというわけではないのですが、後で何かトラブルがあったときに、「方位のせいで…」と思いたくなかったので、念のため見ておいた、という感じです。
候補地が「暗剣殺」?!
我が家では土地選びの時、最初に候補にあがった土地が、その年の「暗剣殺」方位にあたっていました。
広さや立地は希望通りだったのですが…私はちょっと躊躇しました。
占いが頭をよぎって、「即購入!」という気持ちにはならなかったんです。
たまたまその直後に、今住んでいる土地が売り出され、そちらに決めましたが、もし最初の土地が「今年の吉方位!」と書いてあったらどうしたかなぁ、と今も考えることがあります。
最初の土地と、実際に購入した土地は距離も近く、立地条件も似ていました。災害のハザードマップなど見ても、リスクに差はありません。
最初の土地を選んでいたとして、人生に大きく影響があったろうかと考えると…今思えば、あまり変わらなかったのでは、という気もします。
方位にこだわりすぎると…
私にとっては、方位の占いは「ちょっと立ち止まって、よく考えろ」という、クールダウンの効果となった、というところでしょうか。土地は大きな買い物です。一応占いも参考にしておくか…というワンクッションとしては機能したと思います。
もし全面的に占いに頼るとしたら、土地選びや引っ越し時期には、かなりの制約がつくことになりかねません。
「どうしてもこの時期に引っ越さないといけないのに、『暗剣殺』にかかってしまう…」
「立地条件はいいんだけど、方位が…」
いったん気になりだすと、心配で動けなくなる人もいるかも…。
でも、それってどうなんでしょうか。占いの教えに縛られて、がんじがらめになってしまっては、生活に支障をきたしてしまいます。
占いを盲目的に信じる人の心理
私自身は、風水や家相、九星気学について、「取り入れるべきところは取り入れる。でも盲目的には信じない」というスタンスを心がけています。
占いを盲目的に信じる人は、「自分の選択に自信が持てず、何かにすがりたい」という気持ちがあるのでは…と私は思っています。
占いを信じたい気持ちは、私にもわかります。なぜって、占いに頼れば、不安を減らせるから。
自分自身の選択で失敗したらどうしよう…と不安を感じている時、誰かのいう通りにすれば、自分の責任を減らせるような気がするじゃないですか。
でも、それは根本的な解決にはならないんですよね。最終的に何かあった時、占いは責任をとってはくれませんから。
もし占いで「よくない」と言われても、やむを得ず実行しなければならないケースもあるでしょう。そんな時でも、慎重にことを運ぶとか、無理なスケジュールを組まないとか、対策は必ずあるはずです。占いはあくまで、「転ばぬ先の杖」として使うのが賢いと思います。
方位を吟味する意味とは
方位の吉凶が周期的に毎年変わるのなら、今年は凶方位とされたところが、来年は吉方位になるかもしれません。タイミングさえうまくはかれれば、吉と言われる時期に移転することもできるのです。
だから、こうした占いは、昔の人にとって生活の知恵だった、とも考えられないでしょうか。
方位や時期を気にすることで、「家の新築など大がかりなことは、長期的な視点で準備しろ」というように…。
また、以下は私の個人的な考えですが…
方位の吉凶を見る九星気学のような占いは、かつて、現在の天気予報やハザードマップのような意味があったのではないかと思います。
九星気学の発祥は、古代中国の民間信仰とされています。ということは、中国で「この時期にこの方位に旅をするのは危険」とか、「この時期、この方位に家を建てるのはよくない」という経験から生まれた教えなのではないかな…と。
だとすると、気象条件も技術力も違う現代の日本で、九星気学にこだわりすぎるのもナンセンスかな…という気がします。
土地を買う・家を建てるには、占いよりもむしろ、自治体の災害ハザードマップや気象データなどを確認することのほうが、重要ではないでしょうか。
我が家ではジャパンホームシールド株式会社の「地盤サポートマップ」も活用しました。
災害が多発する今、土地の状況はしっかりと意識すべきだろうと思います。