地鎮祭をするかしないか
家を建てるとき、着工前に行われる神事として「地鎮祭」があります。
工事の無事を祈って、神主さんにお祓いをしていただくものですが、最近はしない人も多くなったと聞きます。
ハウスメーカーさんに聞くと、「する人・しない人半々ですね…。施主さんのお気持ちしだいです」とのこと。
半々…って微妙ですよね。
何もしないのも不安…。でも、するとなれば費用もかかります。
どうしたものかとネットでいろいろ調べるうち、「セルフ地鎮祭」という方法を知りました。
セルフ地鎮祭という選択肢
そもそも、地鎮祭とは土地の神様にご挨拶をし、「ここに家を建てさせていただきます」と許可をいただくという意味合いだそうです。
ネット上には、実際にセルフ地鎮祭を行った人の体験談がいくつもありました。簡易的・略式といっても、真摯に行っている様子が感じられました。
読んでみて、「自分たちで、きちんと土地の神様にご挨拶ができる方法があるなら、やってみたい!我が家もこれでいこう!」と思いました。
まずは地元の神社へ
まずは暦を見て、日付選びです。建築吉日の暦と、六曜(大安・先勝などでおなじみ)を参考に、良いとされる日を選びました。
そして家族そろって、朝いちばんで地元の神社に向かい、「これから○○(住所)に家を建てます。家族そろって幸せに暮らせるよう、よい家が建ちますように」とお参りをしました。
その後、新築予定の土地に直行し、「セルフ地鎮祭」を行いました。
我が家流・セルフ地鎮祭の方法
我が家が執り行ったセルフ地鎮祭のやり方をまとめてみます。
ネットで見た方法を参考に、自分たちなりにアレンジしています。
準備したもの
・前日に洗って乾かしておいたお米
・塩
・お酒
(分量は各1~2カップ程度)
我が家では塗りのお盆を持参して、そこに乗せて持ち運びました。
手順
土地の東角地→南角地→西角地→北角地→土地の中心 の順に行います。
・「これからお清めをします どうぞお清めください」と念じ皆で一礼
・施主が塩をまく
・洗い米をもう一人がまく
・お酒を別の人がまく
・最後に敷地中央に残りのお酒・塩・米をお供えして、祝詞を唱えてお祈り
祝詞
※本来の祝詞は、文語体?で難しかったので、ネットも参考に、我が家なりに家族で考えて文を作りました。あくまで素人の作ったものとご承知おきください。
「氏神様 ここに住む生き物すべてに ご挨拶をさせてください
このたび 〇〇(施主)が この□□(住所)を長く住むべきよき住みかと定めて
新居を建てさせていただくことになりました
ここに住まうことを どうぞお許しください
工事に関わる皆さんに 一切の障害がないように
立派に工事をなしとげられるように お願い申し上げます
この場所に 新たに立てた家の柱は岩のように重く
基礎はますます堅くなり 今後災いもなく恵まれますように
どうかお守りください
〇年×月より〇〇・〇〇・〇〇(家族全員の名前)が住まわせていただきます
どうか私たちを見守ってください
どうぞよろしくお願いします
ハライタマエ キヨメタマエ カムナガラ マモリタマイ サキワエタマエ」
(二礼 二拍手 一礼)
着工前の挨拶回り
ひと通り手順が終わると、我が家は現場監督さんと一緒に、近隣のお宅に着工前のご挨拶に伺いました。
着工すると車の出入りや騒音・振動がありますし、現場見学時にご近所さんとお会いすることもあるでしょうから、ご挨拶しておくことにしました。
手土産とかどうしたらいいだろう?と思ったのですが、着工前の挨拶状と手土産のタオルは、ハウスメーカーさんが準備してくれていました。
「新居に引っ越す時に、ご自身でご挨拶の品をお持ちいただけばいいと思います」とのこと。
こうしたことは、地域差があるようなので、その土地の慣習に従うのが無難でしょうね。
略式でもやってよかった
その後、工事は滞りなく無事に完了し、2年経った今も家族皆元気に暮らしています。
「伝統的な儀式を、そんな素人の真似事で済ますのは…」と思われる方は、きちんと神主さんにお願いするほうがよいでしょう。でも我が家では、略式とはいえ、やってよかったと思います。
実際に行ってみて、家づくりに対する覚悟や責任といったものを改めて感じることができました。自分たちなりの地鎮祭ができて、満足しています。
伝統的神事には、ほかに「上棟式」があります。それについてはまた後日。