手紙の良さが見直されている
私は手紙を書くのが好きです。もちろん、手書きのお手紙をいただくのも大好きです。
でも、「手書きのお便りを出すのは手間、面倒…」と考える人も多いでしょう。昔に比べて郵便料金も上がりましたし、封筒や便せんを用意する必要もあります。電話やメール、SNSを使ったほうがずっと速くて手間も費用もかかりません。
でも、やっぱり手紙ならではの良さがあると思うんです。最近は、コロナ禍で“おうち時間”が増えたせいか、手書きレターが見直されつつあるそうですね。
書き手の気持ち・様子が伝わる
手紙の場合、書き手の気持ちが相手に伝わりやすい、という特徴があります。
忙しいなか急いで書いたのだろうな…という手紙もあれば、ひと文字ひと文字丁寧に、緊張して書かれただろう手紙もあるでしょう。
メールや印刷された文字に比べると、手書き文字からは、書き手の息づかいのようなものが強く感じられます。だからこそ、手書きの手紙には温かみが感じられるのかもしれません。
手紙の筆跡を通して、相手の様子がなんとなくわかる…ということはありませんか?
私の母もよく手紙を書く人でしたが、晩年に病気を患ってからは筆圧が弱くなって、「字がうまく書けなくなった」と嘆いていました。筆の勢いや筆圧に、元気さの度合いもにじみ出るものです。筆跡から伝わる情報って、大きいですね。
レターセットで手紙に表情を
便せん・封筒の選び方で、手紙に表情を加えることもできます。
お悔やみの手紙はシンプルな便せん、逆にお祝い事の手紙は花柄の便せんなど、文面や気持ちに合わせて選び、気持ちを表現することができます。
贈り物に例えれば、ラッピングみたいなもの…でしょうか。送り主のセンスが垣間見える部分でもあります。
相手に合わせて選ぶ楽しさもありますが、いざという時すぐ書けるように、きちんとした印象のレターセットをひとつは常備しておくと便利です。お礼状・お詫び状などはタイミングが重要ですからね。
きれいな文字で書くには
字が汚いから…と手紙を書かない人もいますが、下手さが時に “味”にもなるのが手書きの良さです。上手でなくてもていねいに書かれた文字なら、じゅうぶん気持ちは伝わると思います。
でも、少しでもきれいに書こうと思うなら、文字の幅や大きさをそろえて書ける便せんを使うのがコツ。
というのも、お礼状など改まった手紙は縦書きですよね。ふだん縦書きの機会が少ないせいか、これがうまく書けないんです。つい曲がってしまって残念な仕上がりに…。
そんな時は、中心線入りの下敷きのついた便せんを使うと、きれいに書けますよ!
読む人に主導権がある
手紙の良さでとても大切なこと…それは、読む人に主導権があるということではないでしょうか。
届いた手紙をいつ読むかは、受け取り手の自由です。すぐに封を切って読むかもしれないし、手が離せない時なら、ひと息つける時間までちょっとお預け…になることでしょう。
そのため、とくに相手にご不幸があったときなどは、私は極力、手紙にします。電話だと、タイミングによっては用がたてこんでいたり、疲れていたりするかもしれないからです。
好きなときに読んでもらえるというのが、奥ゆかしくて、私は好きです。
何度も読み返すことができ、保存しておけるのもいいですね。デジタルなメッセージも保存はできますが、紙の手触りや匂いなど、”実物”の存在感はやはり大きいです。
手紙だからこそ、の特別感
一瞬で届くデジタルなツールと比べ、手間や時間がかかる手紙。
だからこそ、味わえる特別感もあるのでしょう。
たまには手紙のやりとり、楽しんでみませんか?