高齢の親が終活を考え始めた
離れて暮らす80代の義父が先日、「そろそろ終活というのも考えないとなぁ…」とつぶやいていました。
聞けば、かなり昔に作った銀行口座や、貯金がわりの保険があるような気がするが、よくわからない…というのです。以前はそうしたことをすべて義母(数年前に他界)に任せていたらしく「古い書類なんかが山のようにある。なんとかしたいが、何からどう手をつけてよいか…」と困っているようでした。
そう聞いて、「整理するならお手伝いしますよ」と言ったのですが、ふと思いついたことがありました。それは、「エンディングノートを使ったらどうだろう?」ということ。
というのも、数年前、私の実母が亡くなったときの経験があったからです。
エンディングノートという手段
私の母は持病があったので、万一のときに家族が困らないように、と、エンディングノートを書いていました。ノートのおかげで、母が亡くなったとき、葬儀の段取りから銀行、役所や相続の手続きまで、とてもスムーズに行うことができたのです。
そんな経験から、私は自分自身もすでにエンディングノートを買い、書き込んであります。50代であっても、エンディングノートは自分の暮らしを見直し、整理する助けになるからです。
若い人でも、病気で急に倒れることだってありますよね。そんなとき、かかりつけの病院や、契約している保険など情報をまとめたノートは、家族にとっても助けになることでしょう。書いておいて損はないと思うのです。
事務的なことだけでなく思い出も
母のノートには、友人・知人の連絡先、銀行口座や保険の一覧だけでなく、子どもの頃の思い出や好きな音楽、趣味を書く欄もありました。
母は晩年、握力が落ちて、ペンを持つのもしんどそうでしたので、私が聞き書きをした部分もあります。
思い出話を聞きながら、書き留めていく作業は、親子のコミュニケーションを深める時間でもありました。
若い頃の話をするとやはり楽しいのか、母は病床にあっても笑顔を見せました。母亡き今、振り返ってみると貴重な時間だったと思います。
エンディングノートをプレゼントする?
そんなわけで、義父にもエンディングノートを使ってもらってはどうか、と考えた私。ただ、「エンディングノート」と、どーんと書かれたノートをプレゼント…というのは、ちょっとためらわれました。
実母の場合は、自分から「エンディングノートを買ってきて」と言ったので、あまり気にしませんでしたが、義父はまだまだ元気で、スポーツや畑仕事などこなしています。「エンディングノート」というタイトルが表紙にでかでかと…というタイプのノートは、しっくりこないと思ったのです。
「もういい年なんだから、書いてよね」みたいに思われるのはイヤでした。
たとえ80歳を過ぎても、人から「エンディング」という言葉を使われるのってどうなんだろう…場合によっては気分を害することもあるのでは?…と感じました。
プレゼント向きのエンディングノートはある?
本屋さんに出向き、エンディングノートのコーナーを見てみました。ほとんどのノートには「エンディングノート」と大きく書いてあります。でも、そのうちいくつかは「エンディング」という言葉を使っていませんでした。もし、プレゼントとして考えるなら、こういったタイプのものを選びたい、と私は思いました。
また、買って渡して「はい、書いてね」で終わりではなく、項目を手がかりに、一緒に書いていくのがよいのではないでしょうか。
私の母のように、書くこと自体がしんどい場合もありますし、書くために書類をさがしたり、読んだりという作業は面倒なもの。家族が、話を聞きながら手伝うのがよいと思います。そのため、手伝う家族も「書きやすい」と感じる体裁のものがよいでしょう。
こうしてエンディングノートをさがしていた時、地元の北海道新聞社から、とあるノートが発刊されたと聞きました。それについてはまた別記事にしたいと思います。
続きます…。