人生の1/3は睡眠?寝室の重要性は大きい
間取りを決めるとき、リビングやキッチンに比べ、寝室のプランは意外と軽視されがちじゃないでしょうか。
でも、寝室が快適であるかどうかは、暮らしに大きく影響します。
一日24時間のうち、睡眠時間はどのくらいでしょう。
国民生活時間調査(2020年NHK調べ)では平均7時間12分だそうです。
ということは、一日のおよそ1/3近くになるということ。
それだけの時間を、寝室で過ごすことになるわけです。
また寝室は、個室であれば家族から離れて、自分だけの時間を持つ場にもなります。
書斎を兼ねる場合もあるでしょう。
そして病気の時には「療養する場」にもなります。
だとすると「寝室は寝るだけだから…」「ベッドが置ければ…」でいいのでしょうか?
寝室は夫婦同室?それとも個室?
最近、とくに中年以降の夫婦では、寝室を分けるというケースが増えているようです。
我が家も夫婦それぞれの個室を作りました。
以前は同室だったのですが、生活の時間やスタイルの違いで、ストレスになることもあったので、別室にしました。
パートナーのいびきや歯ぎしり、寝相などが気になる…というカップルもいるでしょう。
就寝・起床の時間帯が違うことだって、あるでしょう。
さらにやっかいなのが、エアコンの設定温度の問題。
我が家の夫は暑がりですが、私はエアコンが苦手。設定温度をめぐってもめたことも…。
そうなると、それぞれ個室で寝るようにすれば、ストレスなく熟睡することができます。
ゆるやかに仕切るという方法も
以前、ドラマ「魔法のリノベ」でも、夫婦別室をテーマにした回(第2話)がありました。
ドラマの原作コミックはこちら↓
このときは、ひとつの部屋を引き戸で仕切れるようにプランしていましたね。
ひと部屋として使うこともでき、仕切りたいときだけ閉める…。
このプラン、いいなぁと思いました。
まったく別々の部屋にして離してしまうのはちょっと…というご夫婦でも、これなら安心ですね。
寝室の位置はどこにすべき?
寝室の意義は、まずはぐっすり眠れること。日々の疲れを癒やし、健康を保つには、質のいい睡眠が欠かせません。
道路側に寝室をプランすると、車の通行音がうるさいとか、
休日、ゆっくり寝たいのに子供の遊ぶ声で騒がしい…なんてこともあるようです。
通りに面した場所は、プライバシーの問題もあるかもしれません。
できるだけ、落ち着いた環境を確保できるところに配置しましょう。
音や光の軽減には、カーテンも有効です。防音や遮光タイプなどさまざまなタイプがあります。
インテリアコーディネーターさんなど、プロのアドバイスを受けるのがおすすめです。
住宅設備との関連
年齢が上がってくると、寝室とトイレは近いほうが安心なのですが、水回りは音の問題がありますね…。トイレットペーパーを回す音(ホルダーのカラカラ音)が響くことも。
24時間換気システムのファンの音も、我が家では気になりました。
また、隣の家との距離が近いときも注意。
生活音はもちろん、エアコン室外機や給湯・暖房設備の音が気になることもあります。
ハウスメーカーでもある程度留意してプランを作ってくれるでしょうが、念のため、隣家の窓や室外機の位置を確認しておくといいですね。
北側の寝室で注意すべきこと
リビングやキッチンを明るいところに配置すると、どうしても寝室は北~北東側に…というのはよくあること。(我が家もそのパターンです)
そうなると、寝室に湿気がこもりやすくなりがちです。クローゼット内の寝具にもカビやダニの心配が…。
カビ・ダニによる健康被害は、最近よく話題になっています。
北側の寝室は、湿気をためないような工夫が大切です。
我が家では通気を考え、クローゼット内の収納物は、壁にぴったりつけず、すきまを開けて収納しています。
吸湿剤も入れていますし、時々扉を開け、サーキュレーターで風を送っています。
また、寝具を吸放湿性・通気に優れた、羊毛素材にするのもいいと思います。
家電製品とのかねあい
風水でも、寝室はとても大切な場所として、重視しています。
家電製品など電磁波を発するものは、「気を乱す」として、寝ている場所からは遠ざけたほうがいいとされています。
電磁波は健康に悪影響があるという研究もみられますので、あながち迷信とはいいきれませんね。
ひと昔前に比べ、家電製品の数・種類も増えた昨今、家庭内で配線が集中する部分もあるはずです。間取りプラン上、そうした部分は寝室と離す方が無難。
スマホの置き場所が枕元に…というのも要注意。たしかに、スマホがすぐ手元にあると、ついつい寝不足にもなりそうですしね。
電磁波は離すことで影響が減るので、スマホやコンセントはできるだけ枕元から離しましょう。
寝室は心と体を癒やす場所
体と心を休ませ、すこやかに保ってくれる睡眠。快適な環境にするには、いろんなポイントがあることがわかります。
寝室はただ寝るだけの場所、と思わず、よく考えてプランすることをおすすめします。