先日、図書館でたまたま「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」(扶桑社刊)という本と出会いました。
国際災害レスキューナースの、辻直美さんの本です。
地震国・日本に暮らす私たちにとって、すごくためになる知識が詰まった本だと思うので、ブログでシェアしてみます。
地震国・日本で暮らすということ
北海道住まいの我が家は、新築直後の2018年に、胆振東部地震に遭遇しました。
幸い家にも家族にも被害はなかったのですが、地震発生の瞬間は生きた心地がしませんでした。
1995年の阪神・淡路大震災や、2011年の東日本大震災…ここ数十年、日本国内では大きな地震が相次いでいます。
日本のどこに住んでいても、絶対の安心というのはないのだな、と思います。
死なないための部屋づくり
「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」の序章には、「死なない、ケガしないための部屋づくり」とあります。
この序章を読むと、「おしゃれな部屋、素敵な部屋を!」と思う前に、まず「死なない、ケガしないための部屋づくり」が必要なのだ…と実感します。
著者は災害レスキューナースとして被災地に入り、ものに埋もれて亡くなった人を多く見てきたそうです。
数百冊の本の下敷きになって。
色とりどりの洋服に埋もれて。
自分が大切にしてきたものによって、命を落とす…そんな悲しい現実がいかに多いことか。
この本で著者は、
・災害時には具体的にどんな危険があって、どういうことが起きるのか
・どのように備えたらいいか
を、非常にわかりやすく解説してくれています。
部屋探しをするとき、マイホームを入手するとき、この本を読んでおくかどうかが近い将来、自分や家族の生死を分けるかもしれない…
大げさでなく、本当にそう思います。
この本には、我が家でも実行していることがいくつも載っており、「そうそう、そうだよね!」と思いながら読みました。
実際に災害を経験すると、大変さが身にしみてわかるものです…。
家相・風水にも通じる「住まいのリスク管理」
また、この本の内容は家相や風水にも通じるところがある…と私は感じました。
家相や風水は、暮らしの場を安心・安全に保つためにどうすべきかという古くからの知恵です。今の時代にも通用することがたくさんあります。
その一方で、何千年も前から伝わる風水や家相の考え方は、現代の暮らしに合わせてアップデートすべき部分もあるでしょう。暮らしが変われば、リスクの質も変わるからです。
現代ならではのリスクを考える
多種多様な家具・家電、あふれるモノに囲まれた現代の暮らし。
地震の時にはそれらが凶器となって、あなたの命を奪うかもしれないのです。置き場所もよく考えねばなりません。
人口が集中した都市で被災したら?
避難所のキャパも不足、自宅避難を余儀なくされることもあるでしょう。
高層マンション住まいならどうしますか?
エレベーターもトイレも使えなくなったら?
昔の人たちが風水を気にして家を建てたように、現代の私たちは、こうしたリスクを考えて住まいを整えることが必要なのです。
風水で有名な「西に黄色」を気にするよりも、むしろこの「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」に書かれていることを、まず優先すべきでは…と私は感じました。
読んだら行動したくなる本
100均で買えるようなプチプラ(プチ・プライス)グッズでも、備えておけば身を守れる確率はあがります。
この本では、誰でも今すぐできる対策がたくさん紹介されています。どのページも参考になり、読むとすぐに行動に移したくなります。
ただ読んで満足…で終わらせない、すぐれた本だと思います。
「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」は、私たちの命と暮らしを守ってくれる大きな助けとなるはずです。ぜひ一読をおすすめします!