新築直後に北海道胆振東部地震
我が家が完成したのは、2018年の夏でした。
その直後、北海道胆振東部地震が起きたのです。この地震での最大震度は7(厚真町)。広範囲にわたる山崩れの映像、北海道全域でのブラックアウトを記憶されている方も多いでしょう。
夢のマイホームを新築して引き渡しを受け、まさか引っ越し直後に大きな地震に遭遇するとは…。
暗闇のなか激しい揺れが
2018年9月6日午前3時頃のことです。カタカタと縦揺れを感じて目を覚ました途端、ガシャガシャというごう音とともに、体がベッドから跳ね上がりました。まるで大きな箱に入れられて、上下に揺すぶられているかのよう。
「地震だ!」
避難しようにも、その場から動けないほどの揺れでした。暗いなか、ベッドに手をついて耐えるしかない状態で、そしてすぐに停電…。しかし幸い、家族は全員無事でした。
暗いので、すぐには被害がどの程度なのかわかりませんでした。懐中電灯やラジオなどを引っ張り出してきて、夜が明けるまでバタバタしていました。
モノが壊れるなどの被害は一切なかった
我が家の近辺は、震度5強程度の揺れだったと思われます。
明るくなってから、家の中や周囲がどうなっているか調べました。
驚いたことに、我が家の室内には全く被害がなかったのです。床にはお皿1枚、本1冊さえ落ちていませんでした。生まれて初めて経験するような強い揺れだったので、きっと何らかの被害が出ただろうと思ったのですが、意外でした。
あとで近隣に住む知り合いに聞くと、書棚の本が全部落ちた(2階建て一軒家)とか、古いエアコンが壁から落ちてきた(マンション中層階)という話もありました。それに比べれば、我が家の状況は恵まれていたようです。
後日、外回りもチェックしましたが、異常なし。外壁にも被害はありませんでした。ご近所も、外から見る限りでは、明らかな被害のあるお宅はなかったです。新しい家が多く、耐震性も優れていたためだと思います。
我が家の被害が軽かった理由とは
家の構造・地盤が地震に強かった
我が家は2×4工法の平屋建て。屋根はガルバリウム鋼板で軽く、建物の形状は張り欠けなしのシンプルな長方形です。特別大きな開口部などもありません。地震に強いつくりだとハウスメーカーから聞いてはいましたが、はからずも実際の地震でそれが証明された形です。
地盤調査の際も、基礎を少し大きくすれば杭なしで大丈夫、というくらいの比較的安定した地盤と言われました。
家具・家電は造り付けや固定済み
我が家では新築時に、棚などの収納家具は基本的に造り付けにしてありました。
寝室に大きなタンスなどを置かないようにするため、洋服やバッグなどはファミリークローゼットで一括管理しています。
リビングの書棚には、100冊以上の書籍、CD類などが並んでいます。収納物のサイズにあわせてすきまなく棚板を調整してあったせいか、本やCDなどの飛び出しがまったくなかったことに驚きました。
キッチンの食器棚(リクシル・アレスタ)は耐震ラッチがついていたので、扉はすべて閉じたままでした。棚の中でワイングラスが3個倒れていましたが、割れてはおらず、被害なし。食器棚シートを使っていたのもよかったのかな?
冷蔵庫は壁にベルトで固定(壁の下地も準備済み)、TVはベース部分に耐震粘着シートをつけており、倒れることはありませんでした。
新居へ入居直後であったこと
引っ越しのために不要物やガラクタは処分してありました。持ち物の数が、引っ越し前に比べて減っていたのもよかったと思います。断捨離の大切さが身に沁みました。
懐中電灯などの非常用グッズも、まとめて玄関の下駄箱にしまってあり、すぐに取り出すことができました。
ピカピカの新居がうれしくて、掃除や整理整頓をきちんとしていたのもよかったのでしょう。寝る前に、リビングやキッチンの小物などもきちんと片付け済みでした。もし、キッチンにグラスやおなべを置いたまま寝ていたら、おそらく吹っ飛んで床に落ちていたことでしょう。
こうして私たち家族は、真っ暗な中でもケガすることなくリビングに集合することができました。その後は、長い停電を経験することになったのですが…。
続きます。